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清水國明さんインタビュー 特集【スローライフのすすめ】

手間暇かけて、人生を楽しむ。そこには時を惜しんで暮らすうちに忘れた、本当の豊かさがあります。今号の「熟年ばんざい」ではスローライフを大特集。まずは自己流自然暮らしを満喫中の清水國明さんのご紹介から!

富士の麓で「自然暮らし」 清水國明流、スローライフ 
熟年ばんざいインタビュー 清水國明さん


現住所、「富士山麓・森の中」

428.jpg 無類のアウトドア好きとして知られる清水國明さん。現在、河口湖のそばの森の中で暮らしている。住まいは、ご自分で建てたログハウス。寝室用、居間用、風呂&トイレ用の3棟をデッキでつないだユニークな作りで、すぐそばには炭焼き小屋や書斎用の棟もある。
 居間用のログハウスは木材を現在調達。樹皮そのままの梁や束が屋根を支える。この棟の自慢は、鳥がぶつかることもあるという大きなガラス窓だ。見えるのは、ご自身が開墾した畑や木立。なんとも贅沢な眺めである。
 この森の住まいで共に暮らすのは、去年結婚した奥様と11月に生まれたご子息・国太郎くん。「今朝は裸の息子をデッキで日光浴させました」。明るい声から、ようやく訪れた春への喜びが伝わる。

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清水國明、趣味三昧の自然派生活に挫折?!
 清水さんが東京からこの地に移り移り住んだのは4年半前。前の奥様との離婚を機に、1人でやってきた。当時の生活の拠点は現在の住まいと同じ森の中に建つ元幼稚園。部屋数の多さを生かし、「この部屋はナイフ作り、この部屋はチェーンソー、この部屋は釣り・・・」と趣味ごとのスペースを確保、自分のやりたいことをする暮らしをスタートした。
 ところが楽しかったのは始めの1ヶ月半だけ。「『できた!』ってナイフを掲げても、シーン・・・・・・。人は誰かの喜ぶ顔に喜びを感じるもの。自分のやっていることが誰かの役に立ったり、喜ばれないと続かないんですよね」。

スローライフの楽しみを教える側に
430.jpg その後清水さんは、「本当に好きなことに一生懸命関われて、それが誰かの喜びにもなるようなこと」を模索した。そして自らが根を下ろした森を拠点に、人と自然を結ぶ事業を創出。アウトドアの魅力を伝える「自然楽校(がっこう)」、アウトドア体験やモノづくりなどが楽しめる「森と湖の楽園」、エンターテイナメントシアター「河口湖SHOW園」を立ち上げた。ちなみに現在の奥様は、そんな清水さんを支えてきたスタッフの1人なのだとか。

皆に楽しんでもらえる、自然暮らしの場を
 この地での清水さんの肩書きは「「楽校長(がっこうちょう)」だ。火起こし、チェ-ンソーカービング(チェーンソーを使った彫刻)、ログハウス作り、釣りなど、ご自身が培ってきた膨大なアウトドアのノウハウを来場者に伝授する。出来たときの感動を味わって欲しい気持ちから、手取り足取りは教えない。「他のスタッフに比べて校長は不親切、とか言われちゃうんです」と笑う。

                           自然には生きがいがいっぱい
431.jpg 清水さんの活動の中心地「森と湖の楽園」には、家族連れから80代まで、さまざまな人が訪れる。「未来を担う子供たちに自然と親しむ場を」との思いからファミリー向けの施設が充実しているが、熟年世代に向けた試みにも力を入れている。この春から本格的にスタートする「趣味と健康合宿」もその1つだ。
 この合宿はリタイア世代の男性が趣味や仲間と出会うためのもので、ゴルフ・釣り・畑仕事・山歩き・モノ作りのレクチャーを初歩から受けられる。費用は1泊2日5万円、4泊5日10万円(問合せ先:株式会社ワークショップリゾート/0555-73-4116)。
 「家族の勧めで参加する方が多いんですが、『こんな世界があったのか!』と泣く人もいます。ぜひ本当に好きなことに目覚めて欲しい。人生変わりますよ」。

仲間と楽しむ、清水流スローライフ
432.jpg ご自宅エリアの畑を案内していただいた。「あっ、出てる!」。
 フットワーク軽く見回りをする清水さんの口から、ふいに歓声があがった。ずらりと立てかけられた原木から顔を出す、椎茸の芽。「これから毎日楽しみ!仲間を呼んでバーベキューをしないと」。「喜びは皆と」が清水流スローライフの極意の模様。小さな椎茸が浴びる春の日が、ことさら温かく見えた。

(取材・構成:西村信子)

清水國明さん プロフィール
1950年福井生まれ57歳。73年にフォークソング・デュオ「あのねのね」で芸能界デビュー、「赤とんぼの歌」で一世を風靡した。以降テレビやラジオの司会、執筆業など幅広く活動。豊富なアウトドアの知識を生かし、イベントや講演会なども。2003年山梨県富士河口湖町に移住、2005年に「森と湖の楽園」をオープン。「自然暮らしの会」代表、株式会社ワークショップリゾート代表取締役社長、森と湖の楽園校長、NPO法人河口湖自然樂校校長など、多くの肩書きを持つ。
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