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連載③山口君の「熟年のつぶやき」『我流・旨いもの基準』

 私は、食べ物に関して言えば、好き嫌いがない。何でも「うまい、うまい」と食べてしまう。妻に言わせると、「食事を作る立場から言えば、手はかからないが・・・作り甲斐はない」と言われます。
 確かに、何でも「うまい」の一言では、張り合いはないかもしれない。だからと言って「まずい」なんて言ったら最後・・・部屋の中では局地的大雨と険悪な稲光が走り、しばらくは我が家の食卓から料理が消える危険性だってあります。
 しかし、幸か不幸か、今のところ本当に「うまい」と思って食べている私。それが証拠に、お腹はかなりのメタボ状態です。
 私の「うまい」の優先順位は、まず雰囲気から始まります。だから美味しい雰囲気を1番大切にします。せっかくの夕飯なのに、妻と喧嘩していたら味なんて分かりません。味がわからないということは、旨いも不味いもないわけです。
 ですから、旨い料理は、夫婦仲から出来上がると私は確信しています。旨い料理が食べたければ、作ってもらった料理を感謝して食べることです。いつの間にか、家で料理が出てくるのが当たり前だと錯覚している旦那さんが実に多くありませんか?
 妻に作ってもらった料理に「ありがとう」の気持ちを込めてみて下さい。その気持ちこそが、次に、より「旨い」料理が出来上がるスパイスになっているはずです。
 仕事柄よく、「テレビで色々なところに行って美味しいものが食べられていいね」と言われます。確かに、芸人をしているおかげで、旅番組などで美味しい料理を口にする機械があります。しかし、残念なのは、どんなに旨い料理でも、カメラが回り、人にジロジロ見られながら食べていると、正直、味は分かりません。
 ましてや、食べた後に、感想のコメントを言わなければならないために、上手いコメントを考えて、味の旨さなんて感じている余裕はありません。
 本当に旨いだけに、出来れば何の制約もない中で、食べたいといつも思います。それぐらい食べる雰囲気って大切なものなんですね。だから、食事に出かけても、ただ意味もなく余計な神経も使う気取った店は苦手だし、マナーばかりが先にたって、堅苦しさだけが漂う店は、大の苦手です。
 どんなに旨い料理を出されても店員の対応や他のお客次第で、味なんて簡単に変わってしまいします。そんなデリケートなところにあるのが、旨いものなんですね。高級レストランに入っても、嫌な奴と一緒では、せっかくの旨さも半減でしょう。だからこそ、口に入れるものだけが料理ではない。目にするもの、耳にするもの全てがその店の味と考えます。
 うまい人間関係とうまい環境が生み出す料理こそ、最高級の「うまさ」が出ると思いませんか?

コント山口君 本名:山口弘和
生年月日:1956年11月23日
出身地:埼玉県
サイズ:162cm68kg
コント作家、タレント。「コント山口君と竹田君」でお笑いスター誕生(NTV)にて初出場優勝のデビュー。ゴールデンアロー賞新人賞(S59)・日本放送演芸大賞最優秀ホープ賞(S59)・花王名人大賞(S60、S61)等を受賞する。最近は、舞台の演出や講演にも力を入れる。
公式ブログ:山口君のオヤジっ記 http://blog.livedoor.jp/yamaguchikunblog/