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死ぬまで一緒。でもその後は・・・? 実録【いつまでも男と女】

永い時を共にした夫婦のお墓にまつわるエピソードです。
死ぬまで一緒。でもその後は?


妻「あなたと死んでまでも一緒はイヤ。お墓は別々にしますね」
夫「どうせ俺の方が早く死ぬ。好きにしろ」
こんな会話、したことありませんか。

 いわゆる駆け落ちで故郷を飛び出し結婚。以来2人は親類縁者との付き合いを一切断った。夫はかなりの亭主関白、妻はただ夫に従う身。子供はいない。近所づきあいもほとんどなかった。夫が寝たきりになってからは、横暴さに拍車がかかったという。「死んでまでも・・・・・・」の言葉はごく親しい人にも洩らしていた。
 しかし、事態は変わった。妻が重篤な肝炎を発症し余命わずか、と診断され夫婦揃っての入院生活となってしまった。妻は自分が先に逝くだろう、と覚悟した。が現実はそうはならなかった。
 入院からまもなく夫が息を引き取った。妻は一切を葬儀者の社長である岩田氏に依頼し葬儀の参列を拒否した。医師の診断ではない、自らの意思だったという。だが、骨を拾うのは妻しかいないのだ。岩田氏は妻をストレッチャーにのせて立会わせた。
 亡くなってみると妻は夫への思いが違ってきたことに気付く。死ぬ直前、さかんに懐かしがっていた故郷へ夫を帰してあげようと。しかし、故郷と決別した夫婦に墓の所在など知る由もない。病床の妻から依頼をうけた岩田氏はその地まで出向き、手を尽くし探し当てた。幸い寺付きの墓だったので事情を説明、無事納骨することができた。
 そして、妻も旅立った。納骨後わずか4日だった。離別を望んでいながら後を追うように、夫のための全てを終わらせ往ったのだ。そのピリオドは清々しくもあった。60年に及んだ2人だけの生活、夫婦という強い絆がそこに見える。夫婦は今、夫の故郷徳島で2人揃って静かに眠っている。亭年夫86歳、妻92歳。妻は6歳年上の姉さん女房だった。

(取材・構成 小泉裕子)

取材協力 岩田 裕之さん
 株式会社あしたばフューネスト代表。あしたばフューネストは、家族葬や密葬など、負担の少ない葬儀を手がける葬儀社として評判が高い。
 座右の銘は「継続は力なり」。その人柄と熱心さで、多くの人に慕われている。第5回熟年式の司会を務める予定。

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