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美しい日本の12ヶ月再発見!5~6月編 【愛和の暮らし歳時記】

美しい日本の12ヶ月再発見①5~6月編
愛和の暮らし歳時記 詩人 山中茉莉


【端午の節句】
 鯉のぼりをて立て、武者人形を飾って男児の健やかな成長を祝う端午の節句はかつては女性の節句だったことをご存知でしたか? 旧暦5月は田の神を迎える田植えの時期で、早乙女(田植えをする女性)が巫女になり、菖蒲や蓬を葺いた小屋に籠り豊穣を祈ったので女の節句とされていました。ちなみに皐月、早苗、早乙女の「さ」は、穀霊、田の神を意味します。邪気を祓うとされた菖蒲が尚武(武事を尊ぶ)に転じて男児の節句となったのは鎌倉時代以降のことで、徳川時代には五節句の1つに定められました。鯉のぼりは「滝を登りきった鯉は竜になる」という中国の「登竜門」の故事にならったもの。吹き流しは、合戦に望む武士の幟を取り入れたもので、5色は方位を守護する神の色であり、人・義・礼・智・信の五常の心とされています。旧暦5月の端午(最初の牛の日)の行事を、5月5日としたのは、牛を5とし、重陽(奇数が重なる)の縁起を担いだもの。昭和23年に5月5日は「子供の日」として祝日に制定されました。

【八十八夜】
 立春から数えて八十八日目(5月2日頃)を迎えると、お茶摘みの最盛期に入ります。古来、霜の心配のなくなったこのころ摘まれた新茶は、不老長寿の効用があるとされてきました。また、八十八は米と書くことから、稲代づくりがはじまり、それにさきだって豊作を祈願する神事も各地でおこなわれます。

【水無月】
 6月に入ると、梅雨を迎えているのに「水無月」といいます。これは旧暦の呼び方で、旧暦6月には梅雨も明け、田んぼの水もかれることに起因しています。

【お菓子の日】
 6月16日は「お菓子の日」です。これは陰暦6月16日におこなわれていた「嘉定喰い」という行事(16個も団子を神に供えて疫病祓いをする)からきています。嘉定(嘉祥)はおめでたいという意味で、お供えした菓子を皆でいただき無病息災を祝います。

【夏越し】

 旧暦では1年の暦を2つに分け、12月の「年越」に対し6月を「夏越し(名越し)の祓い」行事がおこなわれています。代表的な行事穢れを祓う「芽の輪くぐり」などがあります。

【父の日】&【母の日】
 先祖を大切にする日本の伝統。1番近い先祖といえば両親ですが、この両親に改めて感謝の念を思いおこさせる「母の日」(5月第2日曜日)と「父の日」(6月第3日曜日)が待ち受けています。どんな感謝表現をお考えですか?
 季節の恵みと感謝に裏打ちされた美しい日本の伝統と行事、祖先の人々の祈りに思いを馴せながら、ハートフルな暮らしを楽しみたいですね。

山中 茉莉 (やまなか まり)
詩人・脚本家。また、宝石文化研究、日本のフリーペーパー研究者としても幅広い講演活動を続けている。
大学・専門学校講師(マスコミ論)(芸術文化論)/ジャパンジュエリービジネススクール特別講師/日本音楽著作権協会会員/日本ペンクラブ会員/日本文芸家協会会員