読み物 - 連載モノ - 愛和の暮らし歳時記 - 美しい日本の12ヶ月再発見!7~8月編 【愛和の暮らし歳時記】

美しい日本の12ヶ月再発見!7~8月編 【愛和の暮らし歳時記】

美しい日本の12ヶ月再発見②7~8月編
愛和の暮らし歳時記 詩人 山中茉莉

【七夕祭り】

 短冊を笹竹に結び、みなさんは星にどんな願いを託されたのでしょうか。星まつりの起源は、中国の「乞巧奠(きこうでん)」(女子が手芸に巧みになることを祈る祭事の意)の行事が日本の棚機つ花(はたを織る女性)の信仰と結びついたとされています。宮中の儀式として奈良時代にはじまったといわれていますが、もともと日本には、古くから旧暦7月15日の夜に祖霊が戻って来て、家族と寝食を共にして再度、天上に帰っていくという民間信仰が定着していました。村で選ばれた娘が祖霊に着せる着物を機で織り、用意した棚に織物を置いて祖霊が来るのを待ち、一夜を過ごすというものでした。その習慣が「棚機(たなばた)」のいわれです。
 仏教の伝来で、7月15日は盂蘭盆行事がおこなわれるようになり、7月7日は盆行事の準備をする日として、けがれを祓って作物の豊作を祈る独自のたなばた行事が全国に展開されていきました。もともとは旧暦の行事であったことから(今年の旧暦7月7日は新暦8月26日)地方によっては、月遅れの七夕まつりをおこなっているところもあります。

【盂蘭盆会】

 盂蘭盆は梵語のウランバナ(逆さ吊りの苦しみの意)が語源です。何とも物騒な響きですが、これは、釈迦の高弟・木蓮の親孝行伝説に起因しています。木蓮は霊力に優れていたことから、あの世で亡き母親が逆さに吊るされて苦しむ姿をみます。そこで、救う方法を釈尊に尋ねると、釈尊は「母親は飢餓道に堕ちているので、7月15日に90日間の厳しい修行(安吾)を終えた僧たちが集まるので、そこで沢山の供物を捧げ供養すると、過去7世の父母まで救うことになる」と教えられます。実行すると母は逆さ吊りの苦しみから解放され、昇天したので、木蓮は嬉しさのあまり踊り回った(これが盆踊りの起源になった)といわれています。このことから、盆踊りは霊を迎え、送る行事として、また、命の実を結ぶ豊作の祈りとして発展、地域によりさまざまの形が生まれました。

【中元】
 暦で正月、7月、10月の各15日は(満月の日)を上元、中元、下元とする道教の三元節によります。贈答の由来は、「盆」が物を盛る器になっているように、供えものを中心とする行事が盂蘭盆会でした。やがて生きている親に対しても祝い物を贈り、又は饗応する行事、生盆(いきぼん)生見玉(いきみたま)の風習がうまれ、やがて「盆歳暮」「盆札」といって親以外にも贈り物をする習慣が一般的になりました。近年では「中元」は暦ではなく「贈答品」の意味に捉えられている感があります。

【土用】
 立春、立夏、立秋、立冬前の18日間を指し、中国の陰陽五行説にもとづきます。「土用の丑の日」は夏の土用中の丑の日のことで、鰻を食するのは、「丑の日のうのつくものは夏バテしない」という伝承にもとづき、平賀源内が鰻屋に知恵を付けたとされています。(うり、梅干し、うどん、土用シジミなど)。

【八朔(はっさく)】
 朔は一、八朔は8月1日の行事で、頼み(田の実)の節句ともいい、江戸時代に五節句のひとつでした。神に田の実りを祈願することと、上司などに頼みごとをする意味がこめられた行事でした。「頼み」の意味をもつようになったのは鎌倉時代ごろといわれ、主従の関係を深めるための贈答を贈る習慣が盛んになりました。江戸時代になると徳川家康が八朔に初めて江戸城に入ったことから、「八朔の祝い」として贈り物の習慣が定着。八朔に関する行事は、全国で行われています。八朔盆(大阪府)、風の盆(富山県:現在は9月)、作頼み(大分/熊本)など。
・・・・・・7月~8月の暦はご先祖さまをはじめお世話になった方々に感謝をする行事で塗りつぶされています。暦にちょっと足を止めて、大切な人々と命の喜びを分かちあいながら、愛和溢れた日々を過ごしたいですね。

山中 茉莉 (やまなか まり)
詩人・脚本家。また、宝石文化研究、日本のフリーペーパー研究者としても幅広い講演活動を続けている。
大学・専門学校講師(マスコミ論)(芸術文化論)/ジャパンジュエリービジネススクール特別講師/日本音楽著作権協会会員/日本ペンクラブ会員/日本文芸家協会会員 
/* */