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美しい日本の12ヶ月再発見!3~4月編 【愛和の暮らし歳時記】

美しい日本の12ヶ月再発見⑥3~4月編
愛和の暮らし歳時記 詩人 山中茉莉


雛祭り(桃の節句)3月3日
 雛人形を飾って女子の成長を祝う雛祭りの起源は古く、古代の禊ぎに源流を見ることができます。古代には草や藁、板や紙などで「ひとがた」「かたしろ」を作り、それで体を撫でて穢れや災いを人形に移して川に流す習慣がありました。その日は、農家の人達も磯や河原にご馳走など持ち寄って、1日を磯遊び、川遊びで楽しく過ごしました。この川に流していた人形が、貴族の子供の間で行われていた「ひいな(雛)遊び」と結びつき、人形を自宅に飾るようになりました。わが国で3月3日と決まったのは中世になってからです。江戸時代には「上巳の節句」が五節供の1つに定められ、「雛飾り」が盛んになりました。室町時代には白酒や、邪気を祓うとして桃の花、平安時代には草餅、江戸時代には菱餅が供えられるようになり、3色(赤・白・緑)が加わったのは明治の頃とされています。代表的な雛の膳は、赤飯と蛤(またはアサリ)の吸い物です。蛤やアサリは磯遊びや川遊びの名残りといえます。

修二会(3月1日~14日頃)
 修二会は、旧暦の2月におこなわれることから名付けられた仏教行事です。罪と穢れを懺悔し、天下泰平、無病息災、五穀豊穣を観音様に祈願します。最も有名な修二会は「お水取り」で知られる奈良東大寺二月堂の行事です。練行衆が若狭井に降りて本堂の仏前に供える1年分の香水を汲み上げます。因みにこの水の水源は若狭の国(福井県)神宮寺の鵜の瀬の水で、これが地下水となって東大寺の若狭井に湧き出るといわれています。したがって神宮寺では東大寺のお水取りに先駆けて「お水送り」の儀式がおこなわれます。

お花見
 春の農作業に先立ち桜の樹の下に(桜を田の神の依り代と考え)、酒やご馳走を供え、田の神に豊作を祈って神と共に飲食をしたのが花見の起源とされています。桜の花見は平安時代には宮中でおこなわれていましたが、後に武家社会にも浸透。江戸時代になると、庶民の間でも親しまれるようになりました。

所沢寺社の主な春祭り(3月~4月)
 3月5日は久米豊川稲荷で田の神を迎える春祭り「初午」です。3月21日には小手指(元町)の北野天神社の春祭りがおこなわれます。学問の神様菅原道真を祀ることから、学問向上を願う多くの人で賑わいます。
 4月1日はスサノウノミコト・オオクニヌシノミコト他を祭神とする山口中氷川神社の大祭りです。12日=西新井熊野神社(イザナミ・イザナギ他を祀る古社)の例祭、15日=三ヶ島中氷川神社大祭と久米鳩峯八幡神社大祭、16日=牛沼神明神社例祭、18日=宮元町神明社(所沢町の鎮守で旧村社)の例祭、22日=食物、稲の神(ウカノミタマ)他を祀る安松神社(下安松)例祭、25日=柳瀬天神社例祭など、近くでも由緒ある寺社の祭礼がたくさん催されます。


山中 茉莉 (やまなか まり)
詩人・脚本家。また、宝石文化研究、日本のフリーペーパー研究者としても幅広い講演活動を続けている。
大学・専門学校講師(マスコミ論)(芸術文化論)/ジャパンジュエリービジネススクール特別講師/日本音楽著作権協会会員/日本ペンクラブ会員/日本文芸家協会会員