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シリーズ 介護予防③

『介護予防』は『フレイル予防』から
 加齢とともにおこる心身の活力低下や衰弱を意味する『フレイル』。介護予防には、このフレイル症状の早期発見と適切な介入が重要だといいます。地元で地域に密着し在宅療養診療にも力を入れている「陽だまりの丘クリニック」の瀧口先生にお話を伺いました。

フレイルを知ろう
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 身体がさまざまなストレスに弱くなっている状態を『フレイル』と呼び、特に高齢者の方が健康な状態から要介護になるまでの虚弱な時期を意味します。生活機能の障害や心身の脆弱性が出てきますが、一方、家族や医療者がいち早くそれに気付き正しい治療や予防ができれば、十分健常に近い状態へ改善、又は維持できる可能性があるのです。
 フレイルは、自分ではなかなか気付きにくいのですが、目安として5つの基準項目があります。体重の減少・歩行速度・握力などのポイントをチェックし自分の今の状態を把握してみましょう。
 
フレイルの原因
 社会との関わりがなくなる事でおこる活動量の低下が要因であることが大きく、それが運動神経や反射神経、さらに筋力の低下などに繋がっていきます。筋肉量も減少し基礎代謝率の低下も進むことで、食欲低下から低栄養に陥っていくのです。また、この状態に軽度の認知障害などで精神面での低下が加わると活動量がますます減り、社会的な活動が積極的に出来なくなり、日常生活に支障をきたすようになります。この悪循環を繰り返すことをフレイルサイクルと言い、フレイルは進行していくのです。

フレイルに陥らないために
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 家族や周りの人が初期のフレイル状態に気付いてくれるのが一番ですが、身近なかかりつけ医を見つけ、自分のこうした変化を指摘してもらう環境を持つことが大切です。フレイルは身体的側面・精神的側面、社会的側面が相互に影響しあっていますので、総合的に働きかけることが重要と言えます。
 また、高齢者の方で特に気を付けなければいけないのは、転倒や思いがけない事故で外科手術を行う場合です。フレイルの原因であるサルコペニア(筋力や筋肉量の減少)につながるだけでなく、身体が弱っている場合はさまざまな感染症を引き起こしやすくなりますので、ワクチン(インフルエンザ・肺炎球菌)による感染予防も必要でしょう。

健康長寿はフレイル予防から
 高齢者の方が突然に要介護になってしまう訳ではありません。健常な生活に引き戻すことが可能な時期が『フレイル』です。社会活動に参加する、趣味を生かす、友人と会うなどさまざまな方面から積極的に活動していくことがフレイル予防になるのです。
 また、要介護1・2・3くらいの方でも、ご本人が支援を受ける事をためらわずに周りとうまく接していける場合、要介護度が下がる、又は維持できているケースを見てきています。まずは、孤独に陥ることなく老いと上手に向き合う気持ちが大切です。


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陽だまりの丘クリニック
院長 瀧口博司先生 
1975年 順天堂大学医学部卒同年同医学部脳神経外科助手
1983年 防衛医科大学病院脳神経外科助手
1988年 防衛医科大学校病院脳神経外科講師
1997年 医療法人順成会を設立し理事長に就任
          2008年 陽だまりの丘クリニックを開院

陽だまりの丘クリニック
所沢市東狭山ヶ丘1-39-5
TEL 04-2935-7335
診療項目
●内科 ●脳神経外科 ●整形外科 ●泌尿器科 ●リハビリテーション科 ●皮膚科 
※マルチスライスCT・各種健診・往診