終活 - 「終の棲家」を考える

「終の棲家」を考える

 終の棲家(ついのすみか)とは、人生の最期を迎える時まで生活する住まいのこと。団塊の世代が75歳以上(後期高齢者)になる2025年ごろから特に介護や看護の施設や人材の不足が懸念されています。少子高齢化、人口減少社会になり、住まいのあり方も大きく変わりつつあります。この情勢の中、どのように終の棲家を考えればよいでしょうか。

避けて通れない介護・医療のこと
 今は元気で活動的でも、誰もが心身は年齢とともに「老化」していきます。「まだまだ大丈夫」と思っていても、いつ何が起きてもおかしくはない高齢期。その時、どこで誰に介護や看護をしてもらいますか? 終の棲家を考える上で、避けて通れないのが介護や医療のこと。元気なうちにしっかりと考え対策をとっておきたいものです。

今の住まいに住み続けるという選択
 「やっぱり我が家がいちばん!」旅先から帰ってきたとき、思わずこの言葉が出るという方も多いのではないでしょうか。歳をとるほど「住み慣れた我が家が落ち着く」と感じる人は増えるでしょう。しかし在宅生活はリスクも隣り合わせ。転倒やヒートショックなど家庭内事故による死者は、交通事故死の10倍とも言われています。安全に暮すために、住宅改修も視野に入れるべきでしょう。加えて防災・防犯対策も忘れずに。在宅で希望する介護・医療サービスが利用できるか早めに確認しましょう。

利便性の高い住宅に住み替えるという選択
 日本では、65歳以上の高齢者がいる世帯の持ち家率は90%を超えています。しかし高齢になると庭の手入れや建物の維持管理の手間、交通や買い物、病院への通院など、何かと不便なことも多くなってきます。そこで、駅近や商業施設に隣接したマンションなどへの住み替えが人気になっています。
 住み替えに際して、今住んでいる自宅を売却して住まいを購入するケースが多いでしょうが、タイミングが重要です。今後、利便性の高い都心部はますます需要が高まるため、物件価格も上昇の方向ですが、郊外や人口減少地域では下落に向かう可能性が高くなります。「いずれは...」と考えている方は、早めに不動産の専門家に相談することをお勧めします。

高齢者向け住宅に住み替えるという選択
 子供がいない、子供に頼らず暮らしたいと考える人が増えています。そうした方の選択肢のひとつが「高齢者向け住宅」への住み替えです。ひと口に「高齢者向け住宅」と言っても、受けられるサービス内容、形態、料金など様々。複雑で種類が多く、良く分からないという方も多いでしょう。
 「高齢者向け住宅」は大きく公共型と民間型に分類されます。公共型は特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設という介護保険施設とケアハウス(軽費老人ホーム)があります。民間型と比べると、費用が安いのが特徴ですが、豊かで快適な老後を過ごすというよりも、介護や医療ケアに重点を置く傾向があります。入所希望者が多く、ほとんどの場合、待機期間が必要になります。
 一方民間型は、一般的に公共型に比べて費用が高くなりがちですが、様々な生活援助サービスが充実していて、快適に老後の生活を送れるというメリットがあります。有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅、シニア向け分譲マンション、グループホームなどがこれにあたります。
 住み替えのタイミングは「自立で元気なとき」なのか「介護が必要になってから」のどちらかですが、公共型の施設は、基本的に要介護以上の人しか入居できないので、「自立で生活できるうちに...」と考えている人は、民間型を選択することになります。いずれにしても、目的・地域・予算・広さ・必要なサービス等、条件や目的をきちんと整理し、「今」だけではなく、将来身体が思うように動かなくなった時の状況も踏まえて良く検討した上で決めましょう。

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あなたにとってベストな「終の棲家」とは?
 住まいのあり様は、今後の暮らしや生活の満足度や充実度に大きく影響してきます。固定概念にとらわれないで、自分にとってどういう住まいの選択がベストなのか冷静に考える機会を持つことをお勧めします。
 最近は「終活」という言葉が定着し、人生の最期の時のことを自ら考え、準備する人が増えてきました。「どのような場所で、どのように最期を迎えたいか」は自ら考え、家族にもその希望を伝えておきたいところです。そのときの「終の棲家」が、自分の希望をかなえられる場所であって欲しいものです。


※こちらは2017年6月現在の情報です






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