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シリーズ 介護予防⑤

ケアマネージャーが語る
要介護になりにくい生活とは?

 ひとり暮らしの高齢者の方が増えている時代、健康や介護面で不安を抱えている方も多いでしょう。特に要介護に陥らないために、日常から心掛けておける有効な予防法を知るのは大切な事です。また、万が一にそのような状況になった場合でも、出来るだけ健やかな心でストレスは軽減させたいものです。そこで今回は、ケアマネージャーとして活躍中の介護福祉士の栗田薫さんに、実体験を交えたお話を伺いました。

要介護にならないために、日常生活で心がけたい5つの事
 いつまでも元気で自立した生活をする為には、普段の生活行動が大きく作用するというさまざまな統計結果があります。
 まず一つ目は「社会の繋がりを持つ」という事があげられます。年齢や職業に関係なく、一緒に運動や会話を楽しみながら周りと関わりを持つ事が脳の活性化に繋がりとても大切です。
 二つ目は「他人の役に立つ行動をする」という事です。例えばボランティア活動に参加したり動物の世話をするなど、自分が出来る行動が、周りから感謝される事で喜びに繋がり、生活にも張りが出るでしょう。
 三つ目は「食事はなるべく一人だけで摂らない」という事です。家族と一緒に摂れない一人暮らしの方は、友達と外食をする機会を作り食事を楽しむ環境
を見つけましょう。お店の人と話をしたり、世間の色んな人の会話を耳にするだけでも全然違うはずです。
 四つ目は「住宅内の温度変化を穏やかにする」という事。温度変化がない環境の人ほど、元気で長生きするというデータがあります。自宅を二重サッシにするなど家の温度差が少なくなるような住宅改修をする事で、動作が敏速になり「段差で転ばなくなった」「体調が良くなった」などの健康効果が現われます。私が担当しているご高齢で全館空調が整ったマンションにお住まいの方が、とてもお元気なのも納得です。
 最後は「頭と手を同時に使う作業をする」という事です。これは認知症予防に大いに役立ちます。ご高齢の主婦の方であれば、「献立や予算を考えて買い物をする」「ご飯が炊き上がるまでの時間に料理が出来上がるよう計算して調理する」など、ちょっとした工夫をしてみると良いでしょう。

介護は連係プレーが大切
 以前、慢性腎臓疾患と腹部大動脈瘤を患い、長い間入院されていた要介護3の方の退院後の担当をしました。かなりの厳しい塩分制限や体重を落とすなどの試練が強いられていましたが、訪問看護の看護師さんや福祉員は勿論、ご家族の細かな心配りがあり、要支援まで状態が良くなった例があります。それぞれ役割があり、チームプレーが良い結果を生みます。当人だけでなく同じ方向を向かって協力し合う姿勢が介護度を引き下げます。
 最近は訪問診療にも積極的で介護の現場に関わってくれる医師の方も沢山います。地域の病院の情報を得たり、親身になってくれる医師を自分たちが選ぶ立場になって見つけるなどの心づもりも必要です。

ストレスのない介護生活のために
 女性に比べどうしても男性の方の方が、何か不自由な事があってもご自身の弱みを見せたくないという気持ちが強いようです。ですから、デイサービスを受け入れるのが難しい方にはデイケアをお勧めしています。通所リハビリですので理学療法士の方もおり、トレーニングが主体なので、男性の方でも心の負担なくすんなりと通って頂けるケースが多いです。
 また、初期の認知症の方の症状として、否定されるのをとても嫌がるという傾向があります。頭ごなしに否定をせずに話を合わせながら導いていくように会話をする事で、本人も周りの人もストレスなく関わることが出来ます。本人がやれる事は責任を持ってやってもらうくらいの気持ちでいる事です。例えば料理であれば、「最後の味見はお婆ちゃんの役目ね」というスタンスが良いですね。

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ケアマネージャー
栗田 薫 さん
平成22年~ 練馬区サービス提供責任者
平成23年~ 練馬区介護支援専門員世田谷区・港区居宅介護支援事業所勤務
平成25年~  ハーティハウスにてケアマネージャーとして勤務、現在に至る


※こちらは2017年9月現在の情報です