スペシャルインタビュー - 山本リンダさん

スペシャルインタビュー 山本 リンダさん

「こまっちゃうナ~」と舌ったらずの可愛らしい歌声のアイドル時代。「どうにもとまらない~」の過激なへそ出しルックで時代を先取りしたビジュアル路線時代。「ウララ~ウララ~」でテレビアニメちびまる子ちゃんでもお馴染みになったクラブディーバ時代。色褪せないパフォーマンスで進化し続けてきた山本リンダさん。いつも全力投球でステージをこなすバイタリティ溢れる彼女に、歌手生活50年を振り返りお話を伺った。
『歌』は私の宝物…時代を変えていく歌に
 出会えた幸せをかみしめて歌い続けたい。


Profile 山本リンダ(やまもとりんだ)
福岡県小倉市出身。1960年代ファッション誌やファッションショーのモデルとして活躍。1966年に「こまっちゃうナ」が100万を超える大ヒットとなりNHK紅白歌合戦に初出場を果たす。レコード会社移籍後、セクシーな大人の歌手へ大胆なイメージチェンジをし「どうにもとまらない」を発表。「アクション歌謡」の先駆者として再び脚光をあびる。1990年には若者達のクラブシーンやテレビアニメ「ちびまる子ちゃん」をきっかけに、またもや一世を風靡。現在もライブ活動を中心に当時と変わらぬ躍動感あふれるステージで息の長い人気を保っている。


――少女モデルから歌手へ転身
中学1年の春に少女モデルとしてスタートを切った山本リンダさん。モデルとしてはかなりの売れっ子で、当時には珍しく海外撮影も多くこなしていたと言う。そんな多忙な中、歌手への夢が捨てきれず歌のレッスンにも通っていた15歳の時、遠藤実先生との出会いに恵まれた。後世に残る歌を世に送り出している同先生の作詞・作曲でデビューできるのは、大変幸運な事。明るくアップテンポの「こまっちゃうナ」は、当に彼女のイメージにぴったりの曲で、たちまち国民的アイドルに。瞬く間も無くスターダムにのし上がっていったのだった。
――「どうにもとまらない」との出会い
 「デビュー曲はヒットしたものの、その後売れない時期が続きました。『長く歌い続けられる歌手になりたい…』と、何度もイメージチェンジに挑戦したのですが上手くいかずにもがいていました。そんな私に転機が訪れたのは、移籍先のキャニオンの経営立て直しのプロジェクトでの事。グループ総出でヒット曲を作り出そうと、今でいう『メディアミックス』の計画が持ち挙がったのです。このプロジェクトに私を推薦してくれたプロデューサーさんがいました。一年前の大雨の大阪万博の会場で、ずぶ濡れになりながらお客さんの呼び込みをしていた私の姿を覚えていて『この子なら!』と思って下さったそうです。
 今までの私を全部吹き飛ばして生まれ変われる…そんな期待で心躍らせていたのを覚えています。出来上がってきた曲に詞をのせて歌ってみた瞬間、思わず鳥肌が立ち『ああ…待っていた通りの曲だ。この曲で売れなかったら私はもう歌手として駄目だろう』と思いました。阿久悠先生と都倉俊一先生のゴールデンコンビ誕生の大ヒット曲『どうにもとまらない』との出会いです。都倉先生に『歌う時に絶対笑うな! 睨みつけて歌え!』と指導を受け、声をぶつけるような発声法にも変え、とにかく新しい私に生まれ変わるのに必死でしたね」
 その後のリンダさんのブレイクぶりは、ご存じお通り。日本中が驚いて彼女の歌う革新的な曲やインパクトがある衣装と踊りに釘付けに。第二次リンダブームの到来だった。
――歌は世につれ、世は歌につれ
 詞を書いた阿久悠先生は、『歌で世の中を変えていきたい』という思いだったのだと言う。 「『当時の日本は、まだまだ男性上位の時代。本当に日本が平和な国になるには、女性が幸せで伸び伸びとしていなければ…、女性が輝いていなければ…』そんな思いで、一連の詞を書き続けたと伺いました。阿久先生の思いを知り、感銘を受けましたね。『この世は私のためにある~♪』の歌詞には、こんな深い意味が込められていたのです。時代を作り変えるような曲に巡り会えた私は、本当に幸せなのだと改めて感じています」
――元気の秘訣はコップ1杯の水
 激しいダンスを交えたステージをこなすリンダさん。さぞかしその若さを保つ特別な秘密があると思いきや、それはいたってシンプル。
「まだモデル時代の頃、加山雄三さんのお母様、小桜葉子さんから教えて頂いた事があります。とても綺麗で素敵な女優さんで、見惚れている私に気付き『リンダちゃん、いいこと教えてあげる。お水を沢山飲みなさい。毎日、朝・昼・晩にコップ一杯のお水を飲む。それがとても大事なのよ』と。それが今でも日課になっていて、欠かした事がありません。色んな健康法には敏感ですが、これを続けてきたのも絶対良かったのだと思います」
 変わらぬ抜群のスタイルで元気いっぱいのステージをこなす秘訣は、ちょっとした日々の積み重ねから生まれてきているのだ。
――音楽を楽しんで人生に彩を
 「私は、歌を通して色んな世界の主人公になる事が好きです。少女のようにも情熱的な女性にも、その時々の自分を思いっきり楽しんでいます。『音楽は歳をとらない』ですから、好きな歌をなりたい自分のイメージで歌ってみると、案外その世界にぱっと入り込めるものですよ。歌で発散するってシンプルだけど、とても効果的。皆さんも主人公になりきって歌を楽しんでみると、新しい自分の発見があると思います。歌を人生の彩にするのも素敵ですね」

 休日は、社会福祉が専門の大学教授のご主人と、自転車で近所に出かけたり自然散策などをして過ごしているとか。理想的な結婚生活のご様子が伺えました。

 2016年12月
 (聞き手:高橋牧子 編集長:山本英二)

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