スペシャルインタビュー - 芹 洋子さん

スペシャルインタビュー 芹 洋子さん

清楚で透明感ある歌声で幅広い世代に支持され続けている芹洋子さん。代表曲『四季の歌』は、小・中学生から『歌声喫茶』世代まで今なお歌い継がれている。その歌声は「♪明治ブルガリアヨーグルト」や「♪エバラ焼肉のタレ」など、数多くのコマーシャルソングでもお馴染み。今まで歌ってきたCMソングは、なんと700曲にも及び『CMソングの女王』なのだ。そんな芹洋子さんが、自然体で親しみを込めてお話しして下さった。
『歳をとる』のではなく
『歳を重ねる』重ねるって素晴らしいこと


Profile 芹 洋子(せり ようこ)1951年生まれ 大阪府東大阪市出身

1970年NHKテレビ『歌はともだち』のレギュラー出演を機に音楽界入り。1972年『牧歌~その夏~』でレコードデビュー。同年ブルガリアで開催された第8回『ゴールデンオルフェ国際音楽祭』に出場し世界3位入賞、併せて『ヨーロッパテレビ・ラジオ大賞』受賞。『四季の歌』のミリオンセラーをはじめ、山男のロマンを情感豊かに歌い上げた『坊がつる讃歌』のヒットにより、第28回NHK紅白歌合戦に出場。自然と人間の連帯感を愛唱歌として定着させ、抒情歌謡のジャンルにおけるゆるぎない地位を確立している。


――母親の音楽への夢から生まれた歌声
小学校時代からその歌声は評判、4年生の頃には早くもTV出演するほどの実力で、数々の歌謡コンクールで好成績を残していた芹洋子さん。若くして他界した音楽教諭の母親が自らの音楽への夢を彼女に託し、幼い我が子の耳元で毎日歌を歌いきかせていた。そんな親子の触れ合いの中で自然に童謡や唱歌がしみ込んでいき、抒情歌歌手「芹洋子」が誕生したのだ。
――『四季の歌』との出合い
 「NHKの人気番組『歌はともだち』に出演していた頃、川崎で『歌声喫茶』をイメージしたコンサートを行っていました。皆さんと一緒に歌う中、『愛唱歌を作りたい』という仲間内から声が上がり、月に一度ほど歌唱指導に招かれていました。その中の一人の看護婦さんから『歌唱指導してほしい』と持ち上がった曲が『四季の歌』。この歌は彼女が勤める病院の愛唱歌で、患者さんや医療関係者の間に広がっていた曲でした。この曲の歌唱指導した翌月、すぐに会場の皆さんで大合唱になっていました。この曲の持つ『生命力』を強く感じましたね。この歌を『四季の抒情』というアルバムの一曲目に収録したところ、もの凄い話題となり、『四季の歌』は何人にもシングルカットされ歌われたのです」
その中でも抜群に売れたのが芹洋子さん。彼女の優しく力強い歌声が、この曲にぴったりだったのだろう。ミリオンセラーの曲として時代を超えて愛唱されている。
――歌で日中友好に貢献
 NHK国際放送を通じ中国向けに放送された『四季の歌』が、学生を中心に番組に沢山のリクエストが寄せられた。ここから火が付き中国政府から北京に招かれ、1984年、彼女は日本人歌手として初めて北京公演を行った。以来、上海・南京でもコンサートが開かれ、音楽活動を通して日中友好と親善の役割を果たしてきた。
「北京大学の学生さん達の運動がきっかけで北京コンサートが実現しました。今までに19回も中国でコンサートを行っています。光栄な事に胡錦濤(こきんとう)さんがこの曲が大好きで、私のファンクラブ代表のように毎回コンサートに来て下さいます」
 『四季の歌』をはじめ日本の抒情歌を通し、日中友好の促進に貢献したことが認められ、去年『外務大臣賞』を受賞した。「音楽に国境はない」と感激の言葉を語った。
――山男達の思いを歌に託して
 自然、中でも「山」をテーマにした曲が多く、『坊がつる讃歌』をはじめ山岳愛好家たちに愛唱されている歌を歌い続けている。
「健康志向や自然回帰のブームの中、国民の祝日『山の日』の制定も重なり、登山への関心が高まっています。私も山に対する思いは深く、山男達のそれぞれの山に対する思いやロマンを歌に託し、架け橋になっていきたいと思っています。昨年リリースした『山は心のふるさと』が話題となっていますが、30年ほど前に作られた山への讃歌です。『山の日』の記念曲として多くの皆さんに歌って頂ければ幸せです」
 大分県九重連山の登山口に『坊がつる讃歌』の歌碑が建立されている。除幕式に出席した際、「美しい自然を後世に残すのが私たちの使命」と熱い思いを語った。
――団塊世代へのエール『青春の歌声コンサート』
 「ホテルの大宴会場で『芹洋子と歌おう♪うたごえ喫茶』と題したコンサートを定期的に行っています。定番曲から懐メロ・山の歌・抒情歌を交えたステージです。皆さん、歌う事を楽しみに、お洒落をして遠くからも沢山いらっしゃいます。この世代が熱望する『歌』の存在を改めて知るような勢いです。高齢化社会となり故郷の友や自然を懐かしむ気持ちが、童謡や唱歌を盛り上げているのだと思います。青春時代を想い歌っている皆さんに、素敵な歳の重ね方を感じます」

 25年ほど前、交通事故による外傷性くも膜下出血で記憶障害の経験をもつ芹洋子さん。再起後の活躍はご覧の通り。元気で前向きな姿が印象的でした。

 2017年4月
 (聞き手:高橋牧子 編集長:山本英二)


バナー