50歳からの「生」と「性」 - 第3回 セックスレス解消のためのアプローチ

セックスレス解消のためのアプローチ

    いかにセックスに効能があっても、悩みをともなうのではストレスにしかならない。多くの中高年女性は「性交痛」がありながら、恥ずかしさや諦めから告げることもなく我慢し続けるか、セックス自体を拒否するようになっている。また、いざ誘った時に「立たない」不安に怯える男性も少なくない。このページからは、具体的な解決策を紹介していく。

子どものセックスから大人のセックスへ求められる意識改革


     まず頭を切り替えたいのは、生殖期間を終えた以上、男女共に「挿入と射精」にこだわないことだ。とくにポルノとビニ本を教科書に育った男性側が射精快感と絶頂感のみの貧しいセックス観にとらわれがちだが、もっとも大切にしたいのは夫婦や親密な間柄だからこそ可能なセクシャル・コンタクト(性的なふれあい)である。
     それは、ひとつの布団に寝て、やさしく口づけをし、抱きしめ合い、触りあい、ふざけあい、じゃれあうということ。性反応が弱まるとセックスできなくなるのではなく、お互いにボランティア精神をもっていたわりあう「触れ合い中心型」の大人のセックスに移行していけばよい。むしろ、この意識改革をなくしてセックスレス改善の道はないのだ。

セックスレス解消のための工夫・女性のための医療的アプローチ


     そのうえで、女性のための有効な対策としては、ひとつは潤いを補うための「潤滑ゼリー」の使用である。潤滑ゼリーとは、もともとは先進国の中でもいち早く高齢化が進んだスウェーデンで高齢者のセックス専用に開発されたもの。半勃起でも挿入可能な滑りの良さにくわえ、無味無臭で副作用もなく安全で、シーツも汚さず水で即落とすことが出来る。
     もうひとつは原因療法とも言うべきホルモン補充療法HRTだ。HRTは、減少したエストロゲン(卵胞ホルモン)を補充することで、膣粘膜の委縮を予防、改善する療法である。また、子宮のため黄体ホルモン(プロゲステロン)も一緒に投与することも。さらにプラセンタ(胎盤エキス)注射もある。いずれも保険適用で自己負担も少なく、更年期障害の根本的な治療法だ。このほか、症状の緩和の意味で漢方薬も有効である。病院では更年期専門外来や女性外来も増えつつある。婦人科の医師と相談したうえで治療を行ってみよう。

セックスレス解消のための工夫・男性のための医療的アプローチ


     男性側の悩みとしては、ED(勃起障害)がほとんどだろう。まずはED専門外来を受診して原因を探り、それぞれにあった治療法を見つけることだ。心因性のものであればカウンセリングなどの精神療法、器質性のEDでは、更年期障害などホルモン関係の障害が原因の場合は、男性ホルモンを注射。塩酸パパベリンやプロスタグランジンなどの血管拡張剤を陰茎海綿体に注射する方法もある。
     経口投与薬品のバイアグラは、持病によっては致命的な副作用の危険性があるため、医師の処方が不可欠だ。さらに物理療法として、真空式の補助具に陰茎を差し込んで勃起状態を作り出す「陰圧式勃起補助具」や、陰茎の付け根にリングなどをはめて勃起を持続させる方法もある。いずれも、厚生労働省の認可を受けているものなど、きちんとした品質のものを使うようにしたい。特殊な例としては、シリコン性の支柱を陰茎に埋め込む手術療法もある。

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