谷川岳

夏でも残雪を抱く三国山脈の名峰

意外に近く、身近な魔の山

 群馬県と、新潟県の県境にある、三国山脈。その主峰が谷川岳だ。標高2000㍍にも満たないが、険しい岩壁、激しい天候の変化等が原因で多くの遭難者を出していることから「魔の山」「人喰い山」とも呼ばれている。そんな谷川岳だが、時期とコースさえ選べば、それほど困難ではなく、初級者でも登山する事が可能だ。ただし油断は禁物で、夏山といえども、しっかりした雨具、防寒具や非常食などは、必須だ。
登山道から雪が溶ける5月中旬以降から、登山に適したシーズンになる。交通の便が良く、新幹線やマイカーを利用すれば、日帰りでも登山が可能だ。冬はスキー場としてオープンする「天神平」までのロープウェイは、通年営業されており、これを利用すれば谷川岳へは約2時間半、尾根づたいに歩くと山頂に着くことができる。登山は勘弁という方も、天神平付近をトレッキングする事をお奨めする。そうすれば、多くの高山植物と出会う事ができるだろう。谷川岳の気象の厳しさから標高1500㍍付近が森林限界で、その上では笹原が広がり視界が開けている。そのため、比較的低い標高にも関わらず多くの高山植物が観察できるのだ。
近くには、水上温泉郷がある。できればそこに宿泊して、ゆっくりと散策したい。

1.谷川岳ロープウェイ
℡0278-72-3575
新幹線上毛高原駅下車、バス約50分
車:関越道水上ICより約14km、約25分
営業時間 平日:8:00~17:00
土日祝 7:00~17:00
料金(大人)片道1,230円、往復2,060円
ホームページ
2.天神平付近
天神平を彩る高山植物たち(谷川岳ロープウェイ)
3.ハクサンイチゲ
開花時期:6月~8月
4.カタクリ
開花時期:5月
5.ショウジョウバカマ
開花時期:4月~8月
6.水上温泉郷
400年の歴史のある利根川源流の温泉地。
明るく開けた温泉街、その周辺の自然は素晴らしく、
湯の街を流れる利根川は、川幅も狭まり見事な渓谷美が見られる
みなかみ町観光協会

(写真・文:山本英二)