シリーズ健康長寿への道7

「いつまでも美しくありたい」と願う気持ちと行動を大切に。それは健康にも繋がるのです。

女性にとって「美」は、年齢を問わず大きな関心のあるテーマです。最近ではシニア世代でも、より高い効果を求めて美容クリニックに通う人も増えてきているとか。そこで、美容と健康の関係、シニア世代の特に関心の高い、シミ・しわ・たるみの治療について、この分野の第一人者、銀座小町クリニックの萩島恭子先生にお話を伺いました。

美容に積極的な人は健康寿命が伸びる!?

特に女性の場合、美容に関心がなくなると引きこもりがちになり、外出する回数が減ってきてしまうようです。 逆に美容やメイクに積極的な人は、積極的に外出をし、人と会う機会が増えます。実は、その外出したくなったり人に会いたくなったりする欲求は、高齢者にとってはとても大事なことで、それは認知症予防やひいては健康寿命を伸ばすことに繋がるのです。自身の美容に積極的で、何事にも前向きな人生を過ごすことは大変意義深い事だと思います。

進歩著しい美容医療の領域

近年、美容医療の治療技術の進歩はめざましく、種々の治療方法や機器の開発が進み治療メニューの幅も広がっています。多くのシニア世代が悩むシミやしわ、たるみ等は、メスを使わなくても効果的な治療が開発されています。今から、その予防と治療についてお話します。

シミもしわもまずは紫外線対策を

外線対策は日頃から心掛けていらっしゃる方が多いと思います。外出時には日焼け止めやファンデーションを塗っておいででしょうが、その絶対量が足りていません。塗り落としに気を付け塗り直しにも心がけると効果が大分違ってきます。
シミの原因は紫外線を大量に浴びた事によってできる活性酸素。肌はそのダメージを少しでも和らげようと、メラニン色素を増加させます。これがシミの原因となります。外出時には信号待ちの立ち位置や、日蔭側の道を選ぶなど紫外線の害をなるべく避ける心づもりで行動し、家の中でも生活紫外線を受けないような習慣を付けましょう。
しわやたるみに特に影響するのが紫外線のA波です。肌の奥まで侵入してダメージを与える為、日焼け止めだけではブロックできないとされていましたが、最近は飲み薬で対応ができるようになりました。飲む抗紫外線対策剤「ヘリオケア」は、手軽に出来る日焼け止めとしてお肌を紫外線の害から守る優れものです。

シミには最新の光治療が効果を発揮

既にできているシミには、レーザーでシミ部分を飛ばす治療法が一般的で結果も出やすいものでしたが、多数点在するシミには向いていないという事もありました。来院患者さんの中には複数のシミをトータル的に治療したいというご要望が多くあり、それに応えられるようになったのが光治療です。当院の「フォトシルクプラス」は最新の光治療器で、顔全体のシミやくすみに効果があり、みずみずしい肌へ導きます。ダウンタイムも許容範囲で安全性も高いので、熟年世代に特に人気の施術です。

メスを使わないしわやたるみの治療

額や眉間、目尻のしわには、表情筋の作用を弱める為に神経をブロックするボトックス注射が一般的な治療法です。ほうれい線や口元のたるみには、ヒアルロン酸の注入法があります。技術が進歩し、年齢と共におこる顔の構造変化や骨の痩せ方によって、トータル的に考えた注入法が主流になりました。凹みに直接では無く、効果的なポイントに注入する事で、より患者様の満足度も高まるようになりました。
また、高周波治療器を使ったサーモリバース(テノール)は、水分子の運動エネルギーを利用した熱作用によってしわやたるみばかりではなく、顔全体のリフトアップや肌質改善に効果があります。注射に抵抗がある方でも、負担のない施術が受けられます。

かかりつけ医としての美容クリニック

美容クリニックというとシニア世代ほど抵抗があるかも知れませんが、病気になったときと同じように美容についても積極的に治療する時代になってきていると思います。価値観や悩みをもとに丁寧なカウンセリングを行ってくれる美容クリニックを見つけましょう。
私は、患者さんには日常生活の基本的な事までトータル的にアドバイスするよう心がけています。睡眠や便秘、食事などいわゆる生活習慣は勿論、気持ちも明るく前向きになるように。美と健康は切り離せないものなのですから。

 

銀座小町クリニック 院長
萩島 恭子 先生

1972年東京女子医科大学大学院卒業し同大学病院勤務。
後、電電公社関東逓信病院等勤務
2006年より銀座小町クリニック院長
医学博士 小児科専門医 日本抗加齢医学会専門医 日本抗加齢美容医療学会会員