加治丘陵の豊かな里山の自然を 次世代へ引き継ぐ活動を行う

 入間市の北西部に位置する加治丘陵は昔から人々の生活に密着した「里山」で、豊かな自然が残されています。この加治丘陵の山林の保全、環境整備を行っている「NPO法人 加治丘陵山林管理グループ」の理事長の大山博さんにお話を伺いました。

無理せず、あせらず、ゆっくりとがモットー
 私どものグループは、平成15年に設立、現在165名の会員がいます。加治丘陵は、約424㌶もの面積を擁するのですが、その内入間市が所有する約110㌶の山林を対象に入間市と協働で、遊歩道の建設や整備、雑木の間伐・下草刈などを行っています。
最大の特徴は有償ボランティアであることです。活動時間に応じた作業活動費と交通費をお支払いしています。活動日は週2日程度、活動時間は原則午前中で9時から12時までの3時間。休憩を十分とりながら作業しています。我々の活動モットーは、「無理せず、あせらず、ゆっくりと」。ノルマも勤務評定もありません(笑)。でも皆さん真面目な方が多くて、一生懸命に活動しておられますよ。
伐採などの作業は危険がつきものですので、安全管理には特に留意しています。チェーンソーは、操作研修を終了しないと使用できない決まりになっていて、AEDの操作方法なども学んでいます。会として保険にも加入していますが、おかげさまで発足以来無事故が続いています。
会員同士の懇親も活発で、研修旅行や入間万燈まつりでの出店、ゴルフ同好会などもあります。お酒の好きな方も多くて、有志での飲み会はしょっちゅうですよ(笑)。

来たれ!新入会員
 加治丘陵には、北コースと南コースの2つの探索路があるのですが、昨年このコースを繋ぐ自然探勝路を入間市と協働で完成させました。足掛け2年間に渡り、延べ300人、1300時間を費やしました。ヒノキを伐採し、皮むきも行い、400段余りの丸太の階段や、せせらぎを渡る丸太の橋、土留めやベンチなど全て手作業で行いました。
 加治丘陵の最大の魅力は豊かな自然。標高200メートル足らずのなだらかな丘陵なのですが、特別天然記念物のニホンカモシカをはじめ、オオタカ等の様々な動植物の生息が確認されています。この素晴らしい環境を100年先、200年先に譲り渡していくことが私たちの使命だと思っています。今、会の最大の課題は後継者の育成。現在平均年齢は74歳なので、少しでも若い方に入会していただきたいと思っています。入会される方の前職は様々、ほとんどの方が山仕事は未経験です。私も未経験で元銀行員。私たちと一緒に、いい汗を流してみませんか?

 普段の仕事が忙しく、会社以外の人間関係を持たない男性は多いですが、今の場所に住み続けるのなら地域社会との接点は不可欠です。地域社会と深く長い関係を築くためには、体力に余裕があるうちから考える必要があると思います。地域に根ざし、地域とのつながりを大切にしているこのような会への参加は、意義深いのではないでしょうか。
(聞き手 編集長 山本英二)


NPO法人
加治丘陵山林管理グループ
事務所 入間市仏子1397-3
電話 04-2932-4515
(火・金9:00~11:30)
http://www.npo-kajikyuryo.net
iruma@ npo-kajikyuryo.net