元気に夏を過ごそう

今日から始めよう! 夏を元気に乗り切るための、自宅でできる簡単熱中症予防法

熟年世代にとって大敵の夏

近年大きな環境問題になっている地球温暖化。気温の上昇にともない、体への負担も増加している。これは高齢者ほど顕著で、その原因は老化とともに起こる体の変化だ。
のどが渇きを感じにくくなる、汗をかくのが遅れる、血液循環の働きが弱まるなどが原因で体温調整機能が低下し、暑さに対する抵抗力も弱くなる。皮膚の感受性が弱くなるので、暑さを感じにくくもなるので、特に熱中症には注意が必要となってくる。自分自身の体は、以前と違っていると自覚しよう。
良く言われている事だが、健康な体づくりの基本は、①バランス良い食事 ②適度な運動 ③十分な睡眠の3つ。この基本前提のもとで、夏の健康管理のポイントを述べていこう。

 

熱中症に負けない体を作る「暑熱順化」

熱中症になりにくい体にするためには、暑さに対抗するための体温調節機能「暑熱順化」を獲得することが重要だ。
「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる程度の運動(ウォーキングなど)を毎日30分ほど続けると、暑熱順化が約2週間で完成する事が分かっている。また、毎日の入浴でも暑熱順化することができ、40℃程度の湯温の湯船に汗が出るまで(10〜15分が目安)浸かるようにすると、これも2週間くらいで暑熱順化
できる。暑熱順化した体は、①発汗量の増加 ②汗に含まれる塩分濃度の低下 ③皮膚血管の拡張 ④循環血液量の増加、という4つの効果が現れる。

 

普段から意識してこまめな水分補給を

体からは1日に約2500㎖の水分が失われている。失った水分はこまめに補う必要があり、一度に飲んでも余分な水分は尿などで排出されるため、1日に8回くらい、1回コップに1杯程度の水分補給を目安にすると良いだろう。
また、アルコールは利尿作用が強いため水分補給には適していない。飲酒量以上の水分を排泄してしまうことになるので、ご注意を。

 

夏こそ心がけたい快眠
エアコンの活用を

高齢になると眠りが浅くなりがちだが、日中の活動量を増やすなどして、十分な睡眠を心掛けたい。特に夏場は、寝室の温湿度管理が大切になる。特に寝るとき、防犯のためなどで窓を締め切っている場合は室温が下がりにくいので、エアコンを積極的に活用すべきだ。エアコンのおすすめの設定は、ドライ(除湿)運転で、室温28℃程度。ドライモードでは風量が弱いことから、室内に温度ムラが生じやすいので、扇風機を併用し、体に直接風が当たらないように注意しながら部屋の空気をかき混ぜるとより快適に過ごすことがでる。

熱中症の初期症状に注意
早めの対処を

熱中症は暑い屋外ばかりで発生するとは限らない。65歳以上の熱中症の発生場所の6割が住宅内というデータもあり、夜間や就寝中に発症することも多い。めまいや立ちくらみ、筋肉痛、脚がつるなどは熱中症の初期症状。そのような時は、速やかに適切に水分・塩分の補給や身体の冷却を。症状は短時間で刻々と変化するので、早めに気づいて、早めに対処する事が大切だ。