小さな旅60 少林寺・五百羅漢

つづら折りの
山道に並ぶ
500余体の羅漢像

少林寺・五百羅漢
埼玉県寄居町大字末野2072-1
℡048-581-3141(少林寺)
交通/秩父鉄道「波久礼駅」下車徒歩約30分
関越自動車道「花園」ICより約20分
常時開放

映画「でくの空」のロケ地

巻頭インタビューに登場の林家たい平さんが主演した映画「でくの空」。その映画の主な舞台になったのが寄居町で、今回紹介する五百羅漢がある少林寺(通称羅漢山)もロケ地のひとつ。
少林寺は1511年に創建された禅宗の古刹で、1832年に広く浄財を募り、五百体の羅漢像と千体の荒神石碑が安置された。「羅漢」とは修行に励んで煩悩を払い悟りを開いた高僧の事。釈迦が亡くなったとき集まった500人の弟子がモデルであるといわれている。
五百羅漢は、本堂左手から登る山道沿いに並んでいて、山頂には釈迦三尊の石仏が祀られている。羅漢の石像の表情はひとつひとつが異なりとても豊か。言い伝えによると、孝子孝孫が一心にその顔を見ると、必ずその顔の中に亡くなった人の面影を見ることができるとの事だ。
羅漢山から続く山道はハイキングコースになっていて、円良田湖(つぶらたこ)や鐘撞堂山(かねつきどうやま)等を一緒に巡るのも良いだろう。鐘撞堂山の山頂は、秩父の山並み、関東平野がよく見渡せる絶好のビューポイントとなっている。
映画にも登場した水汲み場、日本水(やまとみず)は、名水100選に認定された日本武尊(やまとたける)ゆかりの名水。子授け、不老長寿の霊水として広くあがめられている。少林寺からは荒川を挟んで距離もあるが、車で行くならぜひ立ち寄りたい。

 少林寺本堂
②羅漢山山頂の釈迦三尊像
③羅漢像
羅漢像はどれも小ぶりだが、それぞれポーズや表情が異なり、見ているだけでも心が和む。
④鐘撞堂山山頂
東屋、展望台が整備されている。中世戦国時代、北条氏支配のころ、鐘を置き危急の役に立てたことに由来する。その名の通り鐘もありつく事ができる。
⑤円良田湖(つぶらたこ)
埼玉県大里郡寄居町大字末野2155
ヘラブナ釣りのメッカで、冬はワカサギ釣りもできる。
⑥日本水(やまとみず)
埼玉県大里郡寄居町風布
交通/秩父鉄道「波久礼」駅下車徒歩約60分(タクシー約20分)