黒山三滝

神秘のパワースポット
いにしえの修験者の霊場

かつて賑わった観光地

 奥武蔵の山々と関東平野が出合う自然豊かな越生町(おごせまち)。越生梅林や五大尊つつじ公園など見どころは沢山あるが、今回は「黒山三滝」への小さな旅だ。黒山三滝はその名の通り、荒川水系越辺川(おっぺがわ)の支流、三滝川に落ちる3つの滝の総称で、上下二段の男滝(おだき)と女滝(めだき)、やや下流の天狗滝の三つから成る。室町時代には山岳宗教修験道の拠点として開かれた。滝周辺にはいくつもの宗教施設が作られ修験者の修行の場として信仰を集めてきた。一般には江戸時代より知られるようになり、明治時代から戦後にかけては、県内でも有数の観光地として人気を集めた。
バス停から滝までは、森の精気を感じながら渓谷沿いの道を歩いて20分ほど。途中に昭和レトロな土産物屋やマス釣り場などもあり、楽しませてくれる。

黒山三滝
男滝(右上)と女滝(左下)
手前の橋は「夫婦橋」
男女和合の象徴とされる。

埼玉県越生町黒山
問合わせ:049-292-3121
(越生町役場産業観光課)
交  通:越生駅(JR八高線・東武越生線)
川越観光バス黒山行きで20分
終点下車で徒歩18分 参考:所沢駅よりの交通費片道854円
(西武池袋線・JR八高線経由)
越生観光ナビ

滝への途中にあるマス釣り場
懐かしい商品が並ぶ土産物屋
黒山三滝のひとつ天狗滝

関東第一の巨樹

 滝への散策でパワーをもらったら、同じ町内のもうひとつのパワースポット「上谷(かみやつ)のオオクス」まで足を延ばしてみよう。ここの大クスは、幹周り15m、高さ30m、樹齢は1000年以上にもなる巨木。全国巨木ランキング第16位、関東では第1位に認定され、県の天然記念物にも指定されている。荘厳で神秘的なその威容に悠久のロマンを感じたい。

越生町大字上谷634付近
越生駅より川越観光バス黒山行き、梅林入口下車、徒歩50分
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上谷のオオクス(大楠)

(写真・文:山本英二)