目指そう!デジタルシニア

 「デジタルシニア」とはスマートフォン(以下スマホ)やパソコン(以下PC)等のツールを自由自在に操作し、インターネットを介したコミュニケーション能力に長けたシニアの事。デジタル機器を使いこなしている人は、消費行動が活発で流行感度が高く、社交的で幸福感が強いという調査結果もある。

 デジタル機器を使いこなすのと、そうでない人の格差は広がるばかり。上手に活用すれば生活をより楽しくアクティブにすることができるデジタル機器。自分には無理と諦めないで、この春デジタルに挑戦してみよう。

デジタルシニアになればあなたの生活はこう変わる

 普段スマホやPC等のデジタル機器に接していない人にとって、それを使いこなせれば今の生活がどう便利にどう変わるかという事をなかなか想像できないだろう。そこで生活シーン別に考えてみよう。

ショッピング

 今や、インターネットで買えないものはないと言ってもいいくらい便利なネットショッピング。例えば、家電製品などは、価格を比較できるので同じ商品でもより安く購入できる。また、普段の食材や日用品などもネットスーパーを利用すればOK。配達してくれるのが何よりもありがたい。

趣味・仲間づくり

 フェイスブックやツイッター、ラインなのでのSNS(ソーシャル・ネットワーキングサービス)を利用すれば、共通の趣味を持つ人たちと交流ができる。ブログは日記のように、情報を時系列に記載していき、そこに他人がコメント付記していくことで形作られる。技術に詳しくない人でも簡単に作れ、毎日情報が更新できること、自分の思いを表現しながら、他人と意見交換を行える。

旅行

 旅行に本領を発揮するデジタル機器。旅の写真の整理はもちろんだが、旅先でのガイドブックにもなる。またGPSを利用するとナビゲーションシステムにもなるので、自分が今何処にいるかわかり道に迷うこともない。海外旅行の際には、現地の言葉で喋ったり翻訳する事もできるので、とても頼りになるだろう。

健康管理

 健康の3大要素である、「食事」「運動」「睡眠」の管理も簡単だ。日々の食事では、専用アプリで写真やメニューを記録するだけで、栄養バランスや摂取カロリーを把握できる。運動の量や青果を測定し、それらを記録するアプリや健康機器も充実してきた。最近は睡眠の深さを測れる製品もある。どれも意識しないで、全て自動で記録してくれる。

調べ物

 インターネットの検索機能を使えば、知りたいことを瞬時に知ることができる。最近では言葉で表現できないものまで検索できるようになった。例えば画像から地名や人の名前、スマホで音楽を聴かせる事によりその曲の題名を調べる事もできるのだ。

災害時

 地震や洪水など大規模な自然災害が発生した時に携帯電話やスマホは欠かせない存在。家族と連絡がとれないときに災害用伝言版は頼りになるし、緊急地震速報や津波警報、気象等に関する特別警戒などの情報をいち早く受信することができる。

資産管理・財テク

 ネットバンキングを利用すれば、銀行の窓口で待たされる事もない。入出金のチェックも簡単で、銀行に足を運ぶ回数も減るだろう。株式投資や商品取引などは、インターネットを利用すれば一般的に取引手数料が安く、取引も素早く簡単にできるので、チャンスを逸する事も減るだろう。電子マネーは、現金を持ち歩く煩わしさから解放してくれる。

「終活」での活用

 本人が亡くなっても、残しておきたい写真や動画、記録など、永久に保存してくれるサービスもある。ちょっと変わり種だが、カメラを遠隔で操作してインターネットでお墓参りもできる霊園も。自分の生きた証はインターネットで閲覧できる時代になってきた。

ネットを利用しないことのデメリット

 病院や図書館の貸し出しの予約で、ネット利用者より順番が遅れたり、ネットで比較的簡単に取得できる各種証明書のためにわざわざ役所に足を運ばなければいけなかったりするなど社会生活上の不利益も生じる。今は医療相談、法律相談も一部はネットで専門家が対応してくれる時代になっている。
 また、高齢者でも、パソコンとネットを使った在宅就労が可能な場合もあり、ネットが使えないとその機会を逸してしまう事も。すでに一部の会社は、ネット上にしか就職情報を出していない。ネットを活用しないことで結局、社会的格差が拡大再生産されてしまう事になるのだ。

進化を続けるデジタル機器

 最近、携帯電話会社の各社では、シニア世代でも使いやすいスマホを発売するなど、高齢者向け商品に力を入れている。シニア・初心者向けの教室も開かれているので利用すると良いだろう。
 また、スマートスピーカーという機器も登場している。スマートスピーカーとは、対話型の音声操作で、AI(人工知能)アシスタントを利用可能。AIスピーカーとも呼ばれているものだ。現在、多くの人がスマホやPCを介して音楽鑑賞や調べ物、買い物といったサービスを利用しているが、スマートスピーカーでは、そうしたサービスを、「音声」のみで操作できるので、初心者でも使いやすい。
 より進化を続けるデジタル機器、上手に使いこなして生活を便利に活動的にしていきたいものだ。