碓氷峠

交通の難所に挑んだ先人達、日本の近代史を垣間見る

鉄路の跡を辿る

 碓氷峠(うすいとうげ)は、群馬県安中市と長野県北軽井沢町との境にある。江戸時代には中山道が五街道のひとつとして整備され、関東と信濃国や北陸とを結ぶ重要な場所と位置づけられた。明治に入ってもその重要性は変わらず、鉄道においても碓氷峠を越え重要視されていた。明治26年、多大な犠牲を払った難工事の末、横川~軽井沢間が開通した。廃線となった現在、線路の跡は、一部遊歩道として整備されていて、国の重要文化財である旧丸山変電所をはじめ3つの橋梁と5つの隧道があり、碓氷第三橋梁(通称めがね橋)を代表する鉄道煉瓦構造物群などの鉄道遺産にふれることができる。

鉄道のテーマパーク碓氷峠鉄道文化むら

 碓氷峠鉄道文化むらは、碓氷峠の鉄道文化と歴史を知ることができる「鉄道テーマパーク」だ。信越本線横川~軽井沢駅間の廃止と共に役目を終えた、横川駅に隣接した横川運転区跡地に建設された。鉄道史料を展示する資料館、歴史的名車両が並ぶ屋外展示場のほか、トロッコ列車や園内を一周する蒸気機関車、など体験施設が充実。鉄道模型シミュレーター、電気機関車運転体験コースなどもあり、小さな子どもから鉄道ファンまで楽しめる。
遊歩道を散策した後、ぜひ訪れたいのが、日帰り温泉施設「峠の湯」。石造り檜を多用した浴場は2階にあり、露天風呂からは周囲の山並みが一望できる。休憩所、レストラン等の施設も充実していて、弱アルカリ性の天然温泉は、心と体を癒してくれるだろう。

1.碓氷峠鉄道文化むら
群馬県安中市松井田町横川407-16
TEL 027(380)4163(代)
JR信越本線横川駅隣接
(横川駅=JR高崎駅より普通列車で約35分)
営業時間 9:00~16:30(11/1~2/末日)
休:毎週火曜日 入園料:大人500円
ホームページ
2.碓氷峠鉄道文化むら 屋外展示場
歴史的名車両が並ぶ
3.碓氷峠の森公園交流館「峠の湯」
群馬県安中市松井田町坂本1222
TEL.027(380)4000(代)
横川駅より徒歩で約1時間、タクシーで約5分
10:00~21:00
休館日 毎月第2・第4火曜日
入館料 大人500円(3時間)
ホームページ

(写真・文:山本英二)