お墓の引っ越し その手続きと費用

最近「お墓の引っ越し」をする人が増えているといいます。お墓の引っ越しは「改葬(かいそう)」と言います。改葬の理由は、「お墓が遠くて維持管理が大変」という人が多いようです。特に上京してそのまま生活している人は、故郷にお墓があるという人が多いでしょう。お墓参りしやすい自分の生活している場所の近くに改葬するというのは、ごく自然の流れと言えます。
お墓の引越しには一般的に4つの方法があります。 お墓の引越しには、主に
①遺骨と石碑を一緒に移動
②遺骨すべてを移動
③遺骨の一部を移動 ④分骨
の4パターンがあります。①の場合石碑を持ち込める墓地と持ち込めない墓地があるので、事前に確認しましょう。また、今までの石碑寸法に合った墓地を探す必要があります。最も多いのが②のパターン。遠くに引越すときの輸送費を考えると①より費用が少なくて済む場合もあります。③はひとまず埋葬しておいた遺骨を後から取り出すなどの事情によって特定の遺骨を移すケースです。手続きは引越したい遺骨の分だけ行います。④は既存墓地の管理者や火葬場から分骨証明書を発行してもらいます。分骨の場合は役場の手続きは必要ありません。
次に改葬の流れについて説明します。
1新しいお墓を探す
2新しいお墓の管理者から「墓地使用許可証」または「受入証明書」を発行してもらう
3新しいお墓の仕様を決め、工事契約を行なう
4古いお墓がある自治体から「改葬許可申請書」を取り寄せる
5古いお墓の管理者から「埋蔵証明書」または「収蔵証明書」を発行してもらう
6古いお墓のある自治体に必要な書類を提出し、「改葬許可証」を発行してもらう
7古いお墓から遺骨を取り出す(「魂抜き」などの儀式を伴う場合があります)
8いったん自宅などへ、遺骨を安置する
9新しいお墓の完成を確認する
10「改葬許可証」または「墓地使用許可証」を提出して、新しいお墓へ納骨する(「魂入れ」などの儀式を伴う場合があります)
改葬にあたっては、以前のお墓のある場所と、新しいお墓を作る場所の両方で作業が必要です。
また、新しいお墓を作ったり、古い墓石の撤去には石材店が関わりますし、霊園の管理者や菩提寺の僧侶、地方自治体の窓口との交渉も必要となります。
「改葬」は、思いのほか複雑な作業で、想像以上に多くの人が係る作業なのです。
では、「改葬」には、どれぐらいの時間と費用がかかるのでしょう。
移転を考え始めてから完了するまで、だいたい半年から1年ぐらいは見込んでおいた方が良いでしょう。
また、改葬にかかる費用は、「全国平均で300万円」となっています(メモリアルアートの大野屋調べ)。300万円の内訳は、移転元で52万円、移転費や諸費用で30万円、移転先で218万円となっています。
新しいお墓を作る費用以外にも移転元や移転費などでも、かなりの費用がかかることがわかります。
「改葬」は期間と費用、書類の発行作業や関係者との交渉を伴う大きな作業です。実際にお墓を建てたり撤去したり、遺骨を取り出したり納骨する作業の大半は石材店。このような煩雑な手続きや作業を一括して請け負ってくれる石材屋もありますので、先ずは信頼のできる石材店に相談する事をおすすめします。