シリーズ 健康長寿への道8

胸焼け、ゲップ、胃もたれ等の不快な症状
逆流性食道炎の原因と治療

「逆流性食道炎」は最近患者数が増えている病気で高齢者に多い病気ですが、最近では若い人にも多く見られ、誰にとっても身近な病気です。逆流性食道炎の原因や症状、注意すべき点について、狭山市のみやかわクリニック院長、宮川隆平先生にお話を伺いました。

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎の主な症状は胸に熱いものがこみあげる胸やけや、すっぱいものや苦いものが口まであがってくる呑酸(どんさん)、胃もたれやのどの痛みなどがあります。
それらの症状は、胃酸が胃から食道に逆流することによって起こります。胃の中には、強力な酸である胃酸と消化酵素が含まれる胃液が分泌され、食べ物を小腸で吸収しやすい状態にしています。胃の内壁は、胃酸の働きを中和する胃粘膜がバリアとなって防御しているため、胃酸があってもダメージを受けません。しかし、胃酸が食道に逆流してしまうと、防御機能のない食道は炎症を起こしてしまうのです。

診断・検査と治療

逆流性食道炎の診断は内視鏡検査(胃カメラ)がきわめて有用です。食道粘膜の炎症の有無と程度(ただれ具合)がわかります。しかし、胸やけや呑酸などの症状があるのに、内視鏡検査で異常はないといったケースが非常に増えています。このような場合は「非びらん性胃食道逆流症」として分類されます。
逆流性食道炎も非びらん性胃食道逆流症も、主に薬を使って治療します。胃酸の分泌を抑える薬で、食道の炎症と自覚症状を抑えます。用いられる薬は、酸分泌抑制薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)、またはヒスタミン受容体拮抗薬(H2ブロッカー)などです。

早めに専門機関で診察を

逆流性食道炎自体は、直ちに命に関わる病気ではありません。しかし、放置しておくと生活の質(QOL)を低下させるばかりではなく、食道がんのリスクを増大させると考えられています。胸焼けや呑酸などで、夜中何度も目を覚ますといった睡眠障害が起こることもあります。
また「狭心症」による胸の痛みは、逆流性食道炎の痛みと非常に良く似ている場合があります。他にも「食道がん」といった命に関わる病気の症状にも似ているため、症状が軽いからといって甘く考えてしまうのは危険です。
逆流性食道炎と思い込んで重篤な病を放置し、深刻な状況に陥るようなことがないよう、胸やけなどの症状がある時には一度専門医療機関を受診し、内視鏡検査や組織検査を受けることが必要です。

負担の少ない内視鏡検査

当院は、患者さんに負担の少ない内視鏡検査に取り組んでおります。口径が細く鼻孔から挿入するため、検査中の吐き気が少なく、検査が楽に受けられます。また、不安や苦痛を和らげながら検査を受けて頂けるよう、安定剤等を使用することもあります。内科や消化器科だけではなく、血圧が高いことを気にする方、コレステロール値が高いと指摘された方、頻尿や残尿感などの悩みを抱えている方、骨粗しょう症の方など実に様々な症状を持つ方々が受診されます。身近なかかりつけ医として、皆様の健康管理にぜひお役立てください。

 

 

MEMO
内科・消化器内科・外科(医)みやかわクリニック
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