
飛鳥時代に開山
奥武蔵の山中に佇む
関東三大不動のひとつ
高山不動尊(高貴山常楽院)
住所:埼玉県飯能市大字高山346
アクセス:西武秩父線西吾野駅から
約4.7km、徒歩約100分
問合せ:高山不動尊常楽院
℡ 042-978-0027
飯能市の高山不動尊(高貴山常楽院)は、白雉5年(654年)の開山とされ、かつては山伏の修験道場として栄えた。成田不動、高幡不動と並ぶ関東三大不動の一つとされる。標高約600㍍の山中にあり公共交通機関はないので、訪れるにはつづら折りの山道を自家用車で上るか、西武秩父線「西吾野」駅からの登山となる。
ご本尊は国指定有形重要文化財指定で平安時代初期の木彫仏像「軍太利明王(ぐんだりみょうおう)立像」。体躯は直立して素朴な作風。秘仏で、年に一回冬至の日(今年は12月22日)のみ開帳される。この日は「吾野駅」から、無料送迎バスが運行されるそうだ。
境内でひときわ目を引くのは、県天然記念物・推定樹齢800年の大イチョウ。露出した根には乳と呼ばれる気根が垂れ下がっている。その形状からか、乳の出が悪い者が祈願すると良くなるとされ、別名「子育て銀杏」とも呼ばれている。 高山不動尊の奥の院もある「関八州見晴台」は、本堂からさらに山道を約1㌖。標高770㍍の絶景ビューポイントだ。
帰りは、奥武蔵グリーンラインを南下して顔振峠(こうぶりとうげ)へ。源義経が京落ちで奥州へ逃れる際、あまりの絶景に何度も振り返ったのがその名の由来とされる。峠には数件の茶屋があり、一息つくにはもってこい。
晩秋には、大イチョウや紅葉が色づき絶景に磨きがかかる。ハイキングでぜひ訪ねてほしい。
大イチョウ | |
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垂れ下がっているのが、乳と呼ばれる気根 |
関八州見晴台 | |
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安房、上野、下野、相模、武蔵、上総、下総、常陸の関東八州が見晴らせることからこの名が付いた。 |
不動三滝 | |
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高山不動周辺には「不動三滝」と呼ばれる大滝、不動滝、白滝の3つの滝がある。写真は大滝。 |
顔振峠からの景色 | |
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平九郎茶屋 | |
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顔振峠に数件ある茶屋の一つで、幕末の志士も立ち寄ったとされる歴史ある茶屋。ざるそばや、山菜を揚げた天ぷらが美味しい。 埼玉県飯能市長沢1562 ℡042-978-1525 営/9:00~17:30 年中無休 |
(写真・文:山本 英二)