藤野 芸術の道

里山風景の中の
野外アート作品群を巡る

写真:「雨」 フェリット・オズシェン(平成8年)

藤野 芸術の道
神奈川県相模原市緑区名倉
JR中央本線「藤野」駅を起点に約10キロメートルのコース
問合せ/藤野観光協会 042-684-9503

アートの町「藤野」

 神奈川県相模原市の相模湖の近く、藤野という町があるのをご存知だろうか?現在は、相模原市と合併したが、当時の藤野町では昭和の終わりから平成の始めにかけて、「ふるさと芸術村構想」による芸術によるまちづくりが行われた。その構想の中で、30作余りの野外環境アート作品が造られた。それから30余年、それあらの作品は美しい里山の風景の中に息づき、今なお強いメッセージを発信している。
 JR藤野駅を降りたら、先ずは藤野観光案内所「ふじのね」へ。ここで、案内図やパンフレットを手に入れよう。藤野駅から南の方の山を眺めると、作品「緑のラブレター」が目に飛び込んでくる。山がラブレターを抱いている姿はほのぼのとした気分にさせてくれる。野外環境彫刻は、そのほとんどが名倉地区に造られている。これらの作品を巡る「芸術の道」のコースの全長は約10キロメートル。3時間あまりの行程だ。美しい里山の風景を眺めながら、ハイキングも兼ねて愉しむと良いだろう。
 藤野には、この他にもアーティスティックな施設やショップが集まっている。「ふじのアート・ヴィレッジ」は、芸術家のギャラリーが8軒集まっていて、ガラス工芸品や陶芸品、アクセサリーなど、多種多様な作品が販売展示されている。芸術の町藤野で、1日アート巡りをしてみてはいかがだろう。

藤野観光案内所「ふじのね」
JR藤野駅構内 042-687-5581 8:30~17:00
「緑のラブレター」高橋 政行(平成1年)
メディアにも度々登場した藤野野外環境彫刻を代表する作品。藤野PA,JR藤野駅から見ることができる。
「芽軸」田辺 光彰(平成2年)
植物が芽を出すときの凄まじいエネルギーを表現。
「FLORA・FAUNA」原 智(平成2年)
巨大な昆虫のような作品を置くことによって、これまでの静寂な空気が破壊され、新たな呼吸を始める。
日連大橋(ひづれおおはし)から見る相模湖
この橋のたもとにも、作品がある。
ふじのアートヴィレッジ
神奈川県相模原市緑区牧野5570
050-3791-0999

(写真・文:山本英二)