宇都宮市 大谷

地下空間に拡がる
巨大神殿

大谷資料館
栃木県宇都宮市大谷町909
営業/9:00~17:00 休/無し
料金/大人800円,小人(小・中学生)400円
問合せ/028-652-1232
交通/JR「JP宇都宮駅」西口よりバス約30分
   「資料館入口」バス停、徒歩約5分
車:東北自動車道「宇都宮IC」より約15分
http://www.oya909.co.jp/

大谷石のふるさと「大谷」

 宇都宮市の中心部から車で30分ほどにある「大谷(おおや)」地区。大谷石で知られる石の産地で、大谷石は柔らかく加工がしやすいことから、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきた。
 「大谷資料館」は大谷石の採掘の歴史がわかる資料館で、採掘が本格的に始まった江戸中期から昭和34年頃までの手堀り時代の道具や採掘方法、運搬の移り変わりなどの資料を展示してある。この資料館の圧巻は地下採掘場跡。そこは2万平方メートルにも及ぶ大空間で、深さは30㍍、最深部は地下60㍍もあるという。まさに地下の巨大な神殿といった感じだ。映画やドラマなどの様々な映像作品の撮影やコンサートや演劇、ショー、能楽などの会場にもよく利用されている。坑内の気温は夏でも10℃前後なので、見学の際は上着をお忘れなく。
 「大谷寺」は、大谷資料館の近くに、洞窟に包まれるように建てられている。本堂内には自然の岩壁に彫られた磨崖仏が10体あり、国の重要文化財となっている。中でも本尊の千手観音は日本最古の石仏で、弘法大師の作と伝えられている。大谷寺の洞窟内には縄文の遺跡があり、併設の宝物館では、発掘された1万年以上前の人骨が展示されている。境内にある大谷石の採掘場跡の岩壁に彫られた高さ27㍍の大観音像、「平和観音」も併せて見学したい。

大谷資料館
地下採掘場跡へは、この建物から入る。
大谷資料館内部
地下採掘場跡
地下採掘場跡はライトアップされていて、幻想的な
空間拡がっている。
採掘場跡
採掘場跡は、ギヤラリーとしても活用されている。
大谷寺(写真は本堂)
栃木県宇都宮市大谷町1198番地
 拝観時間/4月~9月/8:30~17:00
      10月~3月/9:00~16:30
 参拝料/大人400円 中学生200円 小学生100円
 問合せ/028-652-0128
 http://www.ooyaji.jp/
平和観音
戦没者の慰霊と世界平和を祈念して昭和23年より6年をかけ、総手彫りで製作された。上からは大谷の町が一望できる

(写真・文:山本英二)