高齢者施設の種類と特徴 徹底解説!

 まだ仕事を続けていたり、身体も比較的自由に動くうちは、介護が必要になった時の想像はつきにくいものです。しかし、ある日突然病気などが原因で、施設への入所を余儀なくされてしまう人が多いのも事実です。また、「早めに準備をして、自分で選んだところに住み、日々を充実させたい!」と思う人も少なくないでしょう。高齢者施設というと有料老人ホームや特養などが思い浮かぶでしょうが、違いがよくわからないという方も多いと思います。今回は、高齢者施設の種類とその概要、それぞれの特徴について解説します。

高齢者施設は大きく分けると2種類
 高齢者施設には随分と沢山の種類があるようにみえますが、大きく「公共型」、「民間型」の2種類に分けることができます。「公共型」は「介護保険施設」と呼ばれ、社会福祉法人や自治体が運営し、「民間型」は民間事業者が運営しています。
 また「公共型」「民間型」とも、住まいと生活支援サービスや介護サービスが別契約となっているものと、生活支援サービスや介護サービスが住まいと一体型になっているものがあります。

主に要介護状態の方を対象にした施設
介護付有料老人ホーム(民間型)
 介護付き有料老人ホームは、そのホームのスタッフがサービスを提供します。要介護者のみが入居できる「介護専用型」と自立・要支援と要介護の方を対象にした「混合型」があります。
 食事サービス、清掃・洗濯などの生活支援サービス、入浴・排せつ介助などの介護サービス、リハビリ・機能訓練、レクリエーション・イベント等のアクティビティも提供されます。費用は、入居時に支払う入居金と、月額利用料がかかります。入居金を支払うことでその施設を利用できる権利が得られる「利用権方式」を採っているところが多いようです。介護サービス費は介護度による「定額制」で、収入によって1割~3割の自己負担額となります。
グループホーム(民間型)
 要支援2以上で原則65歳以上の認知症の高齢者で、施設がある自治体に住民票を持つ方のみが入居できる施設です。5~9人を1ユニットとする少人数で、専門スタッフから介護サービス、機能訓練等を受けながら、料理や掃除などの家事を分担し共同生活を送ります。費用は月額料金に加え、初期費用として入居金や保証金が数十万円程度必要な場合があります。
特別養護老人ホーム(公共型)
 特別養護老人ホーム(通称特養)は、入居基準は要介護度3以上となっています。食事・入浴・排せつ介助などの身体介護、清掃・洗濯など日常的な生活支援、リハビリ、レクリエーションなどのサービスを受けることができます。
 部屋のタイプがユニット型個室となっている「新型」と従来型個室・多床室からなる「旧型」があり、月額費用は「新型」で約15万円、「旧型」は10万円程度で、初期費用はかかりません。入居の順番は申し込み順ではなく、介護度や家族状況なども考慮して必要度が点数化され、緊急度の高い方が優先されます。待機者は非常に多く、地域によっては入居まで数ヶ月~数年かかると言われています。
介護老人保健施設(公共型)
 介護老人保健施設(通称老健)は病院と自宅の中間的な位置づけで、入居期間は原則3ヶ月となり、退院後の在宅生活が難しい要介護1以上の方を対象に、在宅復帰を目指す介護保険施設です。食事・入浴・排せつなどの身体介護、医師・看護師による医療的管理、理学療法士などによるリハビリテーションなどが提供されます。費用は4人部屋で9~12万円前後。初期費用はかかりません。

主に自立の方を対象にした施設
住宅型有料老人ホーム(民間型)
 住宅型有料老人ホームは、自立~要介護の方が入居でき、食事サービスなどの生活支援サービス、医療機関提携・緊急時対応などの健康管理サービス、レクリエーション・イベント等のアクティビティが提供される施設です。介護が必要になった場合には、訪問介護や通所介護等の在宅サービス事業所と、サービス毎に入居者個人が契約をしてサービスを受けます。費用は、入居時に支払う入居金と、月額利用料が必要です。介護サービス費は、在宅でサービスを受ける場合と同様に、介護度による支給限度額までは1割~3割負担(収入による)となります。
サービス付き高齢者住宅(民間型)
 サービス付き高齢者向け住宅(通称サ高住)は、60歳以上の方が入居でき、安否確認と生活相談サービスが受けられる住まいです。賃貸借契約で、初期費用は比較的安く数十万円で借りられるところが多いようです。月額費用も5~25万円と、立地条件やサービスによって差があります。自立~軽介護度の方に適しており、介護が必要な場合は介護保険の在宅サービスを利用します。しかし、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているところは、そこのスタッフから介護サービスや生活支援サポートを受けることができ、介護付き有料老人ホームと同様のサービスが提供されています。
シニア向け分譲マンション(民間型)
 高齢者を対象にした分譲マンションで、所有権を有し、売却、賃貸、相続などが可能な資産となります。家事援助サービス、温泉やプールなど、付帯サービスや共用設備は様々。介護が必要になった場合は在宅サービスを利用し、自己所有物件なので身体状況により退去を迫られることはありませんが、重介護になった場合は転居が必要になる場合があります。
軽費老人ホーム(公共型)
 自立した生活に不安があり身寄りのない高齢者が、自治体の助成により低価格で入居できる施設です。食事を提供する「A型」、食事を提供しない「B型」、「ケアハウス(C型)」の3種類があります。入居には60歳以上(夫婦はどちらか一方)で、「A型」「B型」は自分で身の回りの世話ができ月収34万円以下などの要件があります。「C型」は所得制限が無い代わりに入居金や家賃が必要ですが、自治体からの助成を受けて運営しているので比較的低料金で入居することができます。要介護になった場合は在宅サービスを利用しますが、ケアハウスには特定施設入居者生活介護の指定を受けているところもあり、その場合はそのケアハウスのスタッフから介護サービスを受けることができます。

探す時のポイントと注意点
 介護施設を探す時は「サービス」、「費用」、「周辺環境」、「特徴」という4つのポイントで条件を整理しましょう。
 どのような介護サービスが必要か、または医療的ケアが必要か、主治医やケアマネージャーとよく相談の上、食事の内容や、施設の運営方針、医療体制、強みにしているところを、さまざまな施設の資料等を見比べながら考えていくのもよいかもしれません。
 また、入居して身体状態が変わっても長く住み続けるか、介護度が重くなった場合に住み替えを考えるかによっても、資金計画や必要なサービスが変わってくるので、その点も考慮に入れて介護施設を選びましょう。