旬・彩・美・食 -15-

~栗~

秋の到来を感じさせる栗は、渋皮がポイント

 秋の味覚の代表「栗」は、実にややこしい食べ物。作物の種別上は果物として分類される上、固い鬼皮と呼ばれている下の薄い渋皮の部分が、じつは果実なのだ。実だと思って食べている部分は、種子だというから驚きだ。
 大地と太陽の恵みをたっぷり受けて育った栗は、驚きのパワーがたっぷり。渋皮の部分には、ワインにも含まれているタンニンがとても多く、強い抗酸化作用があるので体や肌の老化を防ぐ。ビタミンCやB1、B2が豊富なので、疲労回復やアンチエイジング効果もある。加えて食物繊維はサツマイモよりも多く含まれているので、特に女性に嬉しい効果が期待できる。
 栗といえば、栗きんとんやモンブランなどのスイーツがお馴染みだが、何といってもお勧めは、渋皮付きの栗ごはん。皮をむく手間も省け、渋皮の栄養成分もたっぷり。栗の形も崩れず、炊き上がりは旨味成分が満たされ剥いた栗より甘みも増すので、一石二鳥。旬の栗を堪能するためにも、甘みとホクホク感を味わえる皮付きの調理法を試してみては。