小さな旅61 渡良瀬遊水地

栃木、群馬、埼玉、茨城の
4県にまたがる
日本最大の遊水地

渡良瀬遊水地ウォッチングタワーからの風景
住所/栃木県栃木市藤岡町内野
渡良瀬遊水池「わたらせ」(子供広場ゾーン)
交通/東北自動車道:「佐野藤岡I.C.」「館林I.C.」より約20分
JR宇都宮「古河駅」下車 徒歩約1時間15分
東武日光線「新古河駅、柳生駅、板倉東洋大前、藤岡駅」下車
柳生駅約50分、板倉東洋大前駅約40分、藤岡駅約1時間

 

多様な動植物が生息する湿地

関東平野のほぼ中央、東京から約60㎞に位置し、栃木・群馬・埼玉・茨城の4県にまたがる渡良瀬遊水地。約33000㌶、外周30㎞の広大な面積を有する。今では貴重な湿地環境をもち、多様な動植物が生息・生育する豊かな生態系が形成されている。2012年には、鳥や魚など、様々な生物が生息する湿地を守るためのラムサール条約に登録されている。
渡良瀬遊水地を語る上で、田中正造は欠かすことができない。彼は、渡良瀬川の魚や農作物に大きな被害を与えていた足尾銅山の鉱毒問題を国会で取り上げ、渡良瀬川沿いの人々を救うため努力した。明治34年には議員を辞職し天皇に直訴。渡良瀬遊水地は、鉱毒を沈殿させ無害化することを目的に作られたのだが、彼はこの計画に反対で、計画の中心地谷中村の遊水地化への抵抗のため移住し、村民と共に遊水地計画の反対運動に尽力した。
この遊水地が完成して100余年、沈殿した鉱毒が取り除かれたわけではないが、鉱毒の流入はなくなり、大部分が自然豊かな葦原になった。空港新設など様々な計画もあったが、大部分は手つかずのままで、一時は日本から姿を消した、コウノトリも営巣し、自然繁殖している。
テレビにも取り上げられて有名になった日本で唯一、平地にある三県境はこの近く。もともと渡良瀬川の中にあったのだが、遊水池工事で川の流れが変わり、地上になった。話のネタに立ち寄るのもいいだろう。

 

①渡良瀬遊水地案内板
貯水池の谷中湖はハート型をしている。これにちなんで、外灯や案内板などハート型をしたものがたくさんある。
②渡良瀬遊水地ウォッチングタワー
③ 谷中湖 ボートやカヌーなど水上スポーツが盛ん
④渡良瀬遊水地コウノトリ交流館
栃木県小山市下生井865-1
遊水地に定着しているコウノトリの写真などを展示
開館:9:30~17:00(4月~9月)、~16:00(10月~3月) 休館:月・祝日の翌日
⑤埼玉県、群馬県、栃木県の三県境
駐車場がないので、「道の駅かぞわたらせ」から歩いて行くのがおすすめ。
道の駅かぞわたらせ 住所/埼玉県加須市小野袋1745−1 ℡0280-62-5555