小さな旅63 旧白洲邸 武相荘

所在地/東京都町田市能ヶ谷7-3-2
℡042-735-5732(ミュージアム)
交通/小田急小田原線 鶴川駅 北口下車徒歩15分
駐車場有り
開館時間/10:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日/月曜(祝日・振替休日は開館)、夏季・冬季休館あり
ミュージアムエリア入場料/1100円
※小学生以下入場不可

伝説の男
白洲次郎の面影を求めて

町田市に現存する白洲次郎の旧邸

連合国軍占領下の日本で、吉田茂の側近として活躍した白洲次郎。貿易商の次男として兵庫に生まれた彼は、若くしてイギリスに留学しケンブリッジ大学で学んだ。第二次世界大戦勃発後は、当初より日本の敗戦を見抜き鶴川村(現町田市)に移住し農業に従事。戦後間もない1945年、吉田茂首相(当時外務大臣)に請われてGHQとの折衝にあたり、日本国憲法の成立に深く関与、その後貿易庁長官、サンフランシスコ講話会議の全権団顧問として活躍した。生涯在野を貫き、いくつもの会社の経営にも携わった。誰もが羨む華麗な経歴と整った容貌、揺るぎない日本人としての矜持、伝説の英国流ダンディズムに基づく彼特有の美学や謎の多い人物像も相まって、ある種の伝説的な存在となっている。
彼の鶴川の住居「武相荘」は、この地が武蔵国と相模国の境にあったことから、彼自身が己の性格「無愛想」を捩って命名。現在、茅葺屋根の母屋はミュージアムとして公開されていて、遺愛の品々が展示されている。レストランでは所縁のメニューが提供され、関連グッズや書籍を販売しているショップもあり、白洲次郎の人物像に迫ることができる。
武相荘の魅力は、それだけではない。ここは、武蔵野の面影を残す山里の中にあり、四季折々の豊かな自然を楽しむことができる。小高い丘を一周して巡る散策路があるので、ぜひゆっくり歩いて欲しい。

①ガレージには白洲次郎が神戸一中時代に乗っていたのと同型の1916年製ペイジSix-38が展示。
②当時は珍しかった外国製の芝刈り機や脱穀機を使って農作業をしていた。道具好きだった一面が窺える。
③敷地内のレストランでは白洲家所縁のメニューが楽しめる。彼が好んだチキンカレー(1,680円)。野菜嫌いだった彼。付け合わせのキャベツはカレーと一緒に混ぜて食べていたという。
④母屋(ミュージアム)内にある白洲次郎の妻、白洲正子の書斎。正子は、伯爵家の次女として生まれ、随筆家として活躍。読売文学賞二度受賞。
⑤母屋にある囲炉裏の部屋。遺愛の品々が展示されている。
⑥自然豊かな敷地内の散策路。