国指定史跡 吉見百穴
所在地/埼玉県比企郡吉見町大字北吉見327
℡0493-54-4541
東武東上線「東松山駅」から川越観光バス
「免許センター行」約5分「百穴入口」下車徒歩約5分
関越自動車道東松山ICから鴻巣方面へ約5㎞
入園料/中学生以上300円 小学生200円
岩山に広がる奇景
斜面に空いた
おびただしい数の穴
コロボックルの住居跡?
埼玉県の中部に位置する吉見町。東部は荒川が流れ田園地帯が広がっているが、西部の丘陵地には、無数の穴が空いた奇妙な岩山がある。その場所は吉見百穴(ひゃくあな)と呼ばれ、その正体は、古墳時代後期の6世紀から7世紀後半に造られた横穴墓群だ。岩山には手すりのついた階段が設置され、実際に入って見学できる穴もある。現在219基が確認されているが、明治20年、東大生だった坪井正五郎氏により発掘調査され、氏はこの穴はコロボックル(アイヌ伝承の小人)の住居跡だと主張した。しかしその後の調査により、住居説は衰え集合墳墓という説が定説となっている。
また一部の横穴には、天然記念物のヒカリゴケが自生しており、鮮やかな緑色の発光が観察できる。
太平洋戦争末期、この岩山の地下に地下軍需工場を建設するため、大きなトンネルが碁盤の目状に掘られた。現在は立ち入ることはできないが、鉄格子で閉ざされた入口の前に立つと、冷気が押し寄せて来て、その規模の大きさを感じさせてくれる。
吉見百穴直ぐ近くには88体もの石仏が収まっている岩室観音堂がある。ここをお参りすれば、四国八十八ヵ所をお参りしたのと同じ巧徳を得られるとされている。ハート型をした岩穴の胎内くぐりもあり、子宝・安産のご利益があるそうだ。吉見観音として親しまれている安楽寺は吉見百穴から、約3㌖。清廉な雰囲気のお寺で、本堂右手にある三重塔は必見。ぜひ一緒に立ち寄りい。
①立ち入ることのできる横穴。入口は低くしゃがまないと入れない。中には、ベッドのような棺台がある穴もあり、住居説も頷ける。
②直径が3m程の軍需工場跡。飛行機部品が製造されたそうだが、本格稼働の前に終戦となった。
③吉見町埋蔵文化財センター 吉見百穴敷地内にあり、町内で発掘された埋蔵文化財を展示。埴輪・勾玉作りの体験学習もできる
④岩室観音堂(町指定 建造物)
埼玉県比企郡吉見町北吉見309
⑤岩室観音堂の胎内くぐり
⑥安楽寺(吉見観音)
埼玉県比企郡吉見町大字御所374
℡0493-54-2898
納経時間/(夏)8:00~17:00(冬)9:00~16:00
毎年6月18日は「厄除け朝観音御開帳」が行われる。