小さな旅67 金鑚神社

鑚神社多宝塔(国指定重要文化財)
高さ約18メートルの二重の塔
柿葺き、高さ約14m、総朱塗 り
所在地/埼玉県児玉郡神川町大字二ノ宮751
℡ 0495-77-4537
http://www.kanasana.jp/
アクセス
電車/JR高崎線「本庄駅」 または JR八高線「丹荘駅」から
朝日バス(神泉総合支所ゆき)に乗車。
「新宿」バス停下車、徒歩20分。
車/関越自動車道本庄児玉ICより約20分(10km)

山全体が御神体
原始信仰の形を残す
本殿のない神社

重要文化財のある神社

関東平野の西端、埼玉県北西部に位置する神川町は、北は利根川最大の支流・神流川、南は城峯山に挟まれた美しい町だ。神川町にある金鑚神社(かなさなじんじゃ)は、武蔵国二ノ宮(一ノ宮は大宮氷川神社等)として信仰を集めていて、日本武尊が東征の際に創祀したと伝えられている由緒ある神社だ。
御獄山(標高343・3㍍)の山麓にあり、神社の一帯が豊かな自然に囲まれていて、静かで厳かな雰囲気が漂っている。社殿後背の御室山そのものを神体山として崇拝する原始信仰の形を受け継いでいるので、本殿が存在しない。このような形式をとる歴史ある神社は珍しく、ほかに長野県の諏訪大社と奈良県の大神神社の2つのみとされている。社名の「金鑚」は、砂鉄を意味し、この周辺で、刀などの原料となる良好な砂鉄(金砂・かなすな)が採れたことが語源であると考えられている。
境内入口付近に建つ多宝塔は、室町時代後期(1534年)の建立。武蔵七党の一人、安保弾正全隆が子孫の多幸を祈るために建てたもので、国の重要文化財に指定されている。
境内からは、御嶽山へ通じる登山道が伸びる。一周1時間半ほどの行程で、ちょっとした登山をする心積もりが必要だが、ぜひチャレンジしてほしい。国の特別天然記念物に指定される御嶽の鏡岩、石仏群、絶景が望める岩峰の展望地など見所が多いからだ。県北最強のパワースポットと言われている「金鑚神社」。少し交通は不便だが、訪れる価値ありだ。

①義家橋 平安時代、奥州「前九年の役」追討出陣のとき「源頼義・義家」が、この地に戦勝祈願し、この橋を架けたとされている。
②中門 拝殿の背後に神体山である「御室ヶ嶽(みむろがたけ)」に通ずる「中門」がある。
③御嶽の鏡岩(国指定特別天然記念物)
御嶽山の山中にある、幅5メートル、高さ9メートルの平らな岩肌で、岩断層活動のすべり面で、摩擦によって表面が鏡のように磨かれたもの。
④御嶽山の石仏群 江戸時代までは台密(天台宗に伝わる密教)の影響下にあったことを示している。
⑤弁慶穴 御嶽山の見晴らし台の手前にあり、入口にあった岩を弁慶が動かしたという伝説が残る。
⑥見張らし台 神川町を一望でき、赤城山や男体山、平野部も望める絶景ポイント。